手術室以外の環境で看護師が行う無菌操作はどれだけ無菌なのか?批判的レビュー★

2026.05.16
★

How aseptic is aseptic technique conducted by nurses outside the operating room environment? A critical review

E. Purssell*, D. Gould
*Anglia Ruskin University, UK

Journal of Hospital Infection (2026) 171, 137-145

無菌操作は、感染予防と感染制御にとって不可欠であるが、その目的、手術室の外でいかに実施されているか、ならびに関連する用語について同意は得られていない。加えて、国際ガイドラインには一致が少ない。

本批判的レビューでは、手術室環境の外における無菌操作の実施時に生じ得る無菌性の破綻を調べるために実施した。研究による直接的なエビデンスがほとんどないため、転帰における確実性のレベルが低くなっている。本レビューにより、滅菌済と銘打って市販されていないいくつかの製品で汚染レベルが低いことが示されていることが確認された。無菌製品パックの内容物は、開封後に速やかに汚染される。大型で扱いにくい製品パックとその開封方法は、結果として汚染をもたらす。表面汚染は、保菌および感染された創が露出されるとすぐに生じ、持続する。無菌操作を実施するための複数の方法を比較した研究はこれまでほとんどない。非滅菌使い捨て手袋は微生物の獲得および伝播のリスクを低減する可能性があるが、滅菌手袋がどれだけ速く汚染されるかに関するデータはない。結論として、実践の裏付けとなるエビデンスは不足している。多くの非滅菌製品は機能的には滅菌である一方、滅菌製品は速やかに汚染される。比較的単純な方法、例えば非滅菌使い捨て手袋や非接触法の使用は、微生物の伝播リスクを大幅に低減できる可能性がある。これらの結果を裏付けるために、さらなる研究が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント :

手術室外で看護師が行う無菌操作が、実際には従来想定されてきたほど無菌性を維持できていない可能性、特に、滅菌処置パックであっても開封・展開・操作の過程で速やかに汚染される。逆に一部の非滅菌製品は実用上きわめて低い菌量にとどまっており、非滅菌手袋や非接触手技を適切に用いれば微生物伝播を減らす可能性があり、リスクベースの手技選択がより現実的である。今後、創処置、血管デバイス管理、在宅医療など処置別・環境別に、感染率だけでなく器材汚染、環境汚染、作業時間、費用、廃棄物量を評価する比較研究が実施されることが必要である。

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