軟性消化器内視鏡のサーベイランス培養陽性例の解析:台湾の 3 次医療施設における 6 年間の研究★

2026.08.28
★

Analysis of positive surveillance cultures of flexible gastrointestinal endoscopes: a 6-year study in a tertiary medical centre in Taiwan

S-H. Wang*, M-Y. Wu, H-S. Hsu, M-H. Liang, C-S. Chung, C-H. Liao
*Far Eastern Memorial Hospital, Taiwan

Journal of Hospital Infection (2026) 174, 203-210

背景/目的

軟性消化器内視鏡の適切な消毒は不可欠である。しかし、定期的なサーベイランス培養は、いくつかの国でしか推奨されていない。この研究では、台湾の医療施設における様々な型の内視鏡に対する定期的なサーベイランス培養の実施について評価し、異なる型の間で培養の陽性率を比較することを目的とした。

方法

内視鏡の定期的なサーベイランス培養のプロトコールを Far Eastern Memorial Hospital(FEMH) において 2020 年 1 月から 2025 年 12 月まで実施した。検体採取は、標準的な胃カメラおよび大腸カメラに対しては 3 か月ごと、十二指腸カメラに対しては毎月実施した。2024 年からは、汚染が持続していた内視鏡に対して、内部の構造的な損傷を評価するために、ボアスコープ(内視鏡用検査カメラ)による定期的な点検を組み込んだ。

結果

FEMHの内視鏡センターにおいて、2020 年から 2025 年の間に、胃カメラおよび大腸カメラからの定期的な検体採取が、532 件実施された。胃カメラは、大腸カメラよりも顕著に高い陽性率を示した(6.8%、19/278 対 0.8%、2/254、P < 0.001)。胃カメラは、大腸カメラと比べて培養陽性のオッズが有意に高いことと関連していた(オッズ比[OR]7.59、95%信頼区間[CI]2.39 ~ 38.12、P < 0.001)。十二指腸カメラは、陽性率が高くなる傾向があったが、これは有意ではなかった(OR 1.70、95%CI 0.43 ~ 9.32、P = 0.462)。大腸カメラは、内視鏡のすべての型の中で最も培養陽性のオッズが高かった(OR 9.73、95%CI 2.42 ~ 53.88、P = 0.001)。消毒を繰り返しても培養陽性であり続けた胃カメラは、ボアスコープによる点検で、たいてい、使用しているチャンネルに明らかな擦過痕(内部欠陥)が見つかり、チャンネルの交換が必要となった。検出された微生物は、特に胃カメラにおいて、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が最も多く、チャンネルの擦過痕を反映している可能性が高かった。

結論

内視鏡の定期的なサーベイランス培養を行うことで、消毒不備の可能性を検出できる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
台湾の三次医療機関で、6 年間にわたり消化管内視鏡のサーベイランス培養を実施した。胃内視鏡では大腸内視鏡より培養陽性率が高く、緑膿菌が多く検出された。特に、再洗浄・消毒後も培養陽性を繰り返す内視鏡では、borescope による観察で鉗子チャンネル内部の傷や損傷が確認された。サーベイランス培養を再処理不良の早期警告として活用し、反復陽性時には洗浄・消毒手技だけでなく、内視鏡内部の損傷を評価することの重要性が示された。

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