英国におけるインフルエンザ様疾患によるラテラルフローデバイス検査と病気休暇に対する医療従事者の態度:仮定したシナリオに基づく研究★
Healthcare workers’ attitudes to lateral flow device testing and sick leave for influenza-like illness in the UK: a hypothetical scenario-based study K. Munro*, Q. Bustamante, L. Findlater, D. Sparkes, G.J. Rubin, A. Atti, S. Foulkes, S. Hopkins, V. Hall, J. Islam *SIREN Study Team, UK Health Security Agency, London, UK Journal of Hospital Infection (2025) 162, 167-173
背景
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中に医療従事者のラテラルフローデバイス検査(注:いわゆる迅速抗原検査。以下、LFD とする。)が広く使われたことで、迅速な診断が可能になり、病気休暇の判断材料となった。
目的
2023 年から 2024 年にかけての冬に、LFD が使用できるかどうかおよびその結果に基づく病気休暇に対する医療従事者の態度を調べた。
方法
SIREN(SARS-CoV-2 Immunity and Reinfection Evaluation)医療従事者コホート内で、参加者を 4 つの仮定したシナリオのうちの1つに無作為化した―目が覚めたら、熱、咳、鼻水があり、(a)LFDが使用できない、(b)LFD で陰性、(c)LFD で COVID-19 が陽性、(d)LFD でインフルエンザが陽性。各シナリオに関して、参加者は、仕事に行くかどうか、理論的根拠、いつ仕事に戻るか、LFD の使用に対する態度について質問された。シナリオを比較するために、割合を計算した。
結果
合計で 5,357 名の参加者が組み入れられた。どのシナリオの人口統計学的特性も似通っていた。参加者の 80%超は、 LFD で COVID-19 かインフルエンザが陽性の場合は家にいると報告した。54%は、LFD が使用できなかったら家にいると報告し、39%は、LFDで陰性だったら家にいると報告した。休暇を取らない主な理由は、同僚の仕事量を増やしてしまうのを懸念することであった。各シナリオで、大部分の参加者は、十分よくなったと感じたときにのみ仕事に戻ると報告した。しかし、COVID-19 陽性のシナリオでは、仕事に戻る前に 5 日間待つと報告した参加者の割合が高くなっていた。参加者の84%が、インフルエンザ様疾患の症状があったら、病院の方針に関係なく、仕事に行く前にLFD を使うと報告した。
結論
この研究で、LFDの結果は、症状がある場合に医療従事者が仕事に行くかどうかについて決めるのを助けるのに役立つことが示された。医療従事者の感染症を管理する際に、LFD は、依然として重要な考慮事項であり、冬の呼吸器感染の伝播を減少させる可能性がある。
監訳者コメント :
ラテラルフローデバイス検査という名称は聞き慣れないが、いわゆる迅速抗原検査のことで、陽性であればほぼ COVID-19 やインフルエンザと診断できるが、陰性であってもその疾患を否定はできない検査である。陰性であることが出勤可能な免罪符にはならないが、実際には検査陰性であれば出勤するスタッフも一定数存在する。日本も英国でも同じような状況のようだ。
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