患者用換気フードを用いた感染性空中浮遊ウイルス量減少の定量化★★
Quantifying the reduction of airborne infectious viral load using a ventilated patient hood L.Y.Y. Lee*, S.A. Landry, M. Jamriska, D. Subedi, S.A. Joosten, J.J. Barr, R. Brown, K. Kevin, R. Schofield, J. Monty, K. Subbarao, F. McGain *University of Melbourne, Australia Journal of Hospital Infection (2023) 136, 110-117
背景
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス‐2(SARS-CoV-2)感染患者を治療する医療従事者は、患者が排出するウイルスを含むエアロゾルへの呼吸器の曝露による感染リスクにさらされている。患者隔離換気フードのような感染源管理装置は、実験室での試験において非感染性空中浮遊粒子の拡散を制限することが示されているが、感染性ウイルスの空中伝播リスクを軽減する性能に関するデータは不足している。
目的
感染性空中浮遊ウイルスを用いて、換気フードが室内環境における感染性ウイルスの曝露を減少させる性能を定量化した。
方法
フードが作動している時または作動していない時に、バクテリオファージ PhiX174 ウイルス 109 プラーク形成単位(pfu)を、約 30 m3 の部屋に噴霧した。感染性ウイルスの空中濃度は、細菌宿主である大腸菌 C(Escherichia coli C)に対するプラークアッセイ定量法を用いた BioSpot-VIVAS および落下菌測定プレートによって測定した。空中浮遊粒子数濃度も、光学的微粒子測定装置を用いて継続的にモニタリングした。
結果
フードが作動していない時、室内の空中浮遊ウイルス濃度の中央値は 1.41 × 105 pfu/m3 に達した。フードの作動時には空気サンプルの感染性ウイルス濃度を 374 倍減少させた。感染性ウイルスの落下菌測定プレート表面への堆積は、87 倍減少した。これは全空中浮遊粒子数の漏出速度の 109 倍の低下に関連していた。
結論
個人用の換気フードは空中浮遊粒子の漏出を有意に減少させ、室内環境の感染性ウイルス汚染をかなり低減させた。我々の知見は、臨床環境で空中浮遊ウイルスに曝露される医療従事者の院内感染リスクを軽減するための感染源管理装置のさらなる開発を支援するものである。
監訳者コメント:
新型コロナにおけるエアロゾル感染は、陽性患者のケアにおいて医療従事者にとって大きな感染リスクである。感染予防手段としては、紫外線や HEPA フィルター付きの空気清浄機が提示されている。換気フードは病室全体ではなく、患者の上半身のみを覆うプラスチックでできた透明のフードで、フード内のエアロゾルは HEPA フィルターで除去され、処理風量は 110 ACH 相当である。陽性者から排出された大量のウイルス粒子を含むエアロゾルは換気フードの処理で 99%以上減少させることが実験的に可能であることが証明された。今後臨床実験での有効性の証明が期待される。
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