胸骨切開術後の縦隔炎におけるクロルヘキシジンによる皮膚消毒および胸骨下ゲンタマイシンスポンジの効果:前向き対照レジストリの患者 2,340 例の結果
Effect of chlorhexidine skin disinfection and retrosternal gentamicin sponge on post-sternotomy
mediastinitis: results from a prospective controlled registry of 2340 patients
T. Waldow*, T. Ghazy, T. Madej, K. Plötze, C. Birkner, A. Mahlmann, K. Matschke
*Dresden University of Technology, Germany
Journal of Hospital Infection (2018) 100, 421-427
背景
胸骨切開術後の縦隔炎を減らすためには、複数の手法を取り入れる必要がある。しかし、これらの方策の単独での効果は十分に研究されていない。
目的
イソプロピルアルコール-グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)を用いた術前消毒および創傷閉鎖時の胸骨下ゲンタマイシンコラーゲンスポンジの局所適用に関して、単独で胸骨切開術後の縦隔炎を減少させる効果を評価すること。
方法
この前向き対照レジストリには、2012 年 10 月から 2014 年 8 月にかけて患者 2,340 例が登録された。患者は 4 つのグループに分けられた。グループ 1、2 ではイソプロピルアルコールで皮膚消毒を行い、グループ 3、4 ではイソプロピルアルコール- CHG で皮膚消毒を行った。グループ 2、4 では、胸骨下ゲンタマイシンコラーゲンスポンジを使用した。主要評価項目は、術後 30 日まで胸骨切開術後の縦隔炎の発症がないこととした。副次的評価項目は、手術部位裂開がないこととした。胸骨切開術後の縦隔炎の発症率の低さに関連する独立因子を明らかにするため、ステップワイズ回帰モデルを作成した。
結果
結果はグループ間で有意差があった(P < 0.0001)。グループ 4 では一次治癒の比率が最も高く(91.4%)、縦隔炎の発症率が最も低かった(0.9%)。多変量解析により、CHG およびゲンタマイシンスポンジの使用が統計的に有意であることが示された(それぞれ P = 0.026、0.013)。その他に有意な独立因子は、弁手術(P = 0.001)、体格指数(BMI) > 30 kg/m2(P = 0.001)、術前発作(P = 0.005)、輸血(P = 0.022)であった。
結論
イソプロピルアルコール- CHG による術前皮膚消毒は、イソプロピルアルコール単独での消毒より優れており、推奨すべきである。胸骨下ゲンタマイシンコラーゲンスポンジを追加すると、縦隔炎の発症率はさらに低下する。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
消毒に用いられるアルコール製剤は速乾性で消毒効果が期待できる。このため、術前皮膚消毒に消毒用アルコールを含んだ製剤の使用が選択される場合が多い。
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