泌尿器科病棟におけるC型肝炎の院内アウトブレイクの臨床経過と転帰

2007.09.30

Clinical course and outcome of a nosocomial outbreak of hepatitis C in a urology ward


L.M. Pekova*, P. Teocharov, A. Sakarev
*Trakia University, Bulgaria
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 86-91
本稿では、ブルガリアのスタラ・ザゴラの病院で泌尿器科の男性患者6例がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した院内アウトブレイクの臨床経過と転帰についての前向き研究を報告する。これらの患者は泌尿器科病棟の入院歴があり、全員が入院中に静注による治療を受けていた。約3週間後に6例全員が急性肝炎で感染症病棟に収容されたが、これはHCV遺伝子型1bに起因することが判明した。入院第1週目にPCRにより確定診断がなされた。感染患者を診断後30カ月間追跡し、患者に接触した可能性がある54名を曝露後6カ月間追跡した。4例の患者は完全に回復したが、1例は慢性HCV感染症を発症し、1例は死亡した。死亡例には、B型肝炎ウイルスとの同時感染による肝硬変がすでに存在していた。本調査で、同時期に同じ病棟に入院していた慢性C型肝炎患者が初発症例であることが確認された。最も可能性が高い伝播経路は、共用の注射器による静注ヘパリンフラッシュであった。一般的には、急性HCV感染は多くの場合慢性化すると考えられているが、本調査の30カ月間で観察された慢性化例は1例のみであった。
サマリー 原文(英語)はこちら

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