Primel Active Hand Shield の残留活性をアルコールベースの手指消毒剤と比較して手指汚染および細菌伝播に対する効果を評価した臨床試験

2026.05.16

Clinical trial of Primel Active Hand Shield with residual activity compared with an alcohol-based hand sanitiser to measure the effectiveness on hand contamination and microbial transmission

D. Orr*, J. Twamley, A. Luthra, M. Wilcox
*Lancashire Teaching Hospitals NHS Foundation Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2026) 171, 236-246

背景

汚染された手指は患者における病原体伝播の主な発生源であり、医療関連感染症(HCAI)につながる。この試験の目的は、病院環境において、Primel Active Hand Shield(PAHS)とアルコールベースの手指消毒剤(alcohol-based hand sanitiser:ABHS)による残留活性および伝播の減少を比較評価することであった。

方法

塗布前、即時、2 回の事前に規定した残留時間後に、医療従事者の手指の検体採取を行い、即時活性と残留活性の両方を評価した。医療従事者の無菌表面との接触により、手指からの細菌伝播も評価した。

結果

塗布後即時には、抗菌活性は PAHS(97.7%[信頼区間(CI)96.5 ~ 98.5%])と ABHS(96.8%[CI 94.9 ~ 98.0%])とで同程度であった。午前中 1 時間の残留時間後、PAHS は即時活性の大部分を保持していたが(91.4%[CI 87.2 ~ 94.2%])、ABHS の活性は 15 分後に低下した(77.9%[CI 64.6 ~ 86.2%])。同様の傾向が午後の塗布でも認められた(PAHS 92.1%[CI 87.8 ~ 94.8%] 対 ABHS 68.4%[CI 47.0 ~ 81.1%])。全体として、塗布回数は PAHS のほうが ABHS より少なかった(平均 2 回 対 5 回、P < 0.01)にもかかわらず、PAHS を用いた医療従事者の手指に対する抗菌活性は、ABHS を用いた場合と比較して有意に高かった(91%、P < 0.03)。平均で、ABHS を使用した医療従事者は、PAHS を使用した医療従事者と比較して、無菌表面に約 2 倍の細菌を移した(P < 0.03)。

結論

以上の結果は、PAHS の使用により、塗布回数は減少するにもかかわらず、手指の細菌汚染が減少する可能性があり、細菌伝播が発生する可能性は低下することを示している。これは、ABHS の重要な限界に対処するものであり、PAHS の使用により、現在の ABHS を基本とする取り組みにもかかわらず持続する HCAI が、防止される可能性があることを示唆している。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

持続性手指消毒薬(PAHS)と速乾性アルコール製剤(ABHS)を比較した臨床試験において、PAHS は塗布 1 時間後も 91%以上の抗菌活性を維持し、ABHS に比べ環境表面への病原体播種を有意に抑制した。多忙な臨床現場では手指衛生の遵守率低下が常態化しており、持続性製剤の導入は少ない手技回数で交差感染リスクを低減する強力な選択肢となる。今後は本製剤の運用が実際の医療関連感染(HCAI)発生率に与える影響を検証する前向き研究が待たれる。

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