病院の水環境における多剤耐性腸内細菌の検出法の検証
Method validation for the detection of multi-drug-resistant Enterobacterales in the hospital aquatic environment M. Sauget*, N. Hassoun-Kheir, J. Riger, K. van Hoorde, A. Peleg, M. Paul, S. Harbarth, D. Hocquet, M.E.A. de Kraker, X. Bertrand *Hygiène Hospitalière, France Journal of Hospital Infection (2026) 167, 56-61
目的
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)および基質拡張型β-ラクタマーゼ産生腸内細菌目細菌(ESBLE)を検出するための病院水環境のサーベイランスとして、最も感度が高く実行可能な方法を検討した。
方法
本研究では、病院のシンク P トラップおよびトイレに焦点を当て、検体採取法として液体収集とスワブ採取の収量を比較した。さらに、選択培地での直接培養と一晩増菌後の培養による検体処理を比較した。菌種はマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)によって同定し、ESBLE または CPE の生成は、表現型法または免疫発色法を用いて確認した。
結果
大学病院の 2 つの病棟において、全体でシンク P トラップ 32 カ所およびトイレ 20 カ所から検体を採取した。すべてのシンクおよびトイレにおいて、ESBLE 検出と CPE 検出で別個に、異なる検体採取法(液体収集およびろ過、スワブ採取)および処理法(セフォタキシム、テモシリン/イミペネムを用いた増菌なしまたはあり)を適用し、520検体を得た。検体を採取したシンク P トラップ 32 カ所中、21 カ所(65.6%)が少なくとも 1 種類の検体採取・処理法で ESBLE 陽性、8 カ所(25.0%)が CPE 陽性であった。検体を採取したトイレ 20 カ所中、10 カ所(50.0%)が ESBLE 陽性、9 カ所(45.0%)が CPE 陽性であった。シンク P トラップでは、スワブ採取と液体収集で同様の結果が示された。増菌により、検出感度はわずかに上昇したのみであったが、その後の微生物学的解析が容易になった。トイレでは、採水の方が縁のスワブ採取より感度が高かった。
結論
これらの結果から、シンク P トラップのスワブ採取およびトイレからの採水と増菌の併用が、病院の水環境における多剤耐性病原体の検出に最適な方法であることが示唆される。
監訳者コメント:
環境から微生物学的検査をする際に、手順によっては検出感度の差が生ずることがある。そのため、スワッブ採取と採水ならびに増菌法によるスクリーニングが有益となることがある。
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