サンパウロのプライマリケア現場における抗菌薬適正使用支援プログラムに関する薬剤師の視点★
Pharmacists’ perspective of antimicrobial stewardship programmes in the primary care setting in São Paulo K. Mendonça*, A.R. Guedes, B.M. Tavares, D.A. Brandão, G. Madaloss, L.V. Perdigã-Neto, A.S. Levin, M.S. Oliveira *Department of Infection Control of Hospital das Clínicas da Faculdade de Medicina da Universidade de São Paulo, Brazil Journal of Hospital Infection (2025) 164, 27-33
背景
抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)は、抗菌薬耐性に取り組むために極めて重要であり、特に薬剤処方の大部分が行われるプライマリケアにおいて重要である。薬剤師は、ASP において、患者の教育、処方のモニタリング、および適正使用の促進を通して重要な役割を果たしている。本研究では、薬剤師の視点からサンパウロ州のプライマリケアセンターにおける ASP の状態を評価した。
方法
2023 年 6 月から 2024 年 1 月にかけて、サンパウロ州全域のプライマリケアセンターに勤務する薬剤師を対象に横断調査を実施した。米国疾病対策センター(CDC)およびブラジル国家保健衛生庁(ANVISA)のガイドラインに基づく質問票により、人口統計学的特性、プライマリケアセンターの特性、ASP の活動、および薬剤介入について調べた。記述統計量を用いた。
結果
68 都市のプライマリケアセンターから得られた 回答 201 件中 189 件が適格であった。大部分の薬剤師(75%)は大学院教育を受けており、70% は 500 人以上の患者に対応するセンターに勤務していた。プライマリケアセンターの 79%は電子カルテを使用していたが、文書化された ASP 方針を有していたのは 32%のみであり、抗菌薬使用をモニタリングしていたのは 29%であった。診断用の資源は限られており、最も利用されていたのは呼吸器ウイルス検査であった(43%)。抗菌薬使用に関する教育活動は、プライマリケアセンターの 26%で実施されていた。薬剤介入は薬剤師の 77%が報告しており、内容は主に用法用量の調整(54%)ならびに投与期間の変更(25%)であり、また処方医による介入の許容度は高かった(34%の症例で 80%以上)。
結論
本研究では、プライマリケアセンターにおける ASP の実施における強みとギャップが明らかにされた。インフラストラクチャーおよび薬剤師のトレーニングに改善がみられた一方、依然として重要な限界が、方針の作成、診断用の資源、処方医の支援、および一般市民の教育にみられる。我々は、(1)施設の ASP 方針を確立すること、(2)迅速な診断法へのアクセスを拡大すること、(3)処方医および薬剤師への教育を継続すること、ならびに(4)プライマリケアに特化した一般市民への意識を高めるキャンペーンを推奨する。
監訳者コメント :
プライマリケアにおける ASP を評価するための横断調査を実施したブラジルからの報告。処方される抗菌薬のほとんどを経口薬が占め、プライマリケアで使用されている状況は日本においても同様であり、興味深い報告である。
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