オミクロン変異株は、医療環境において排出されるウイルス量を有意に増加させる:医療従事者への影響★

2025.09.17

The Omicron variant significantly increases viral load emissions in healthcare settings: implication for healthcare workers

F. Rossi*, K-P. Pelletier, M. Veillette, B. Paquet-Bolduc, C. Duchaine
*Université Laval (CRIUCPQ-UL), Canada

Journal of Hospital Infection (2025) 163, 88-97

背景

SARS-CoV-2 オミクロン変異株は、汚染された小滴やエアロゾルを介して伝播されるので、換気が悪く、患者の密度が高いことによって空中のウイルス量が増加する可能性がある医療環境では、懸念がある。

目的

この研究は、病院の指定された領域に隔離されたCOVID-19 陽性の患者への医療従事者の実臨床での曝露を、24 時間連続エアサンプリングを使って評価することを目的とした。

方法

エアサンプリングは、検査で SARS-CoV-2 陽性となった 38 例の連続患者を収容した 10 個の病室の中で実施した。サンプリングは、患者の頭の近くに置いた 37 mm のカセットを使って実施した。空気中のオミクロン変異株は、RT-qPCR で検出し、結果は、各部屋の 1 時間当たりの空気の入れ替えに基づいた排出率として表現し、患者の症状の発現と相関させた。

結果

SARS-CoV-2 は、患者の 89%の空気中で、検出され、定量された。これは、陽性患者を収容した部屋の 76.7%で、空気中に検出可能なレベルのウイルスが存在したことを示している。これは、ウイルスの平均排出率が患者当たり 1.45 × 105 ± 2.16 × 105 ゲノム/時であることに相当した。排出率に有意な影響を与えた唯一の症状は、痰の喀出であり、それに苦しむ患者の値は、それがない患者の 3 倍高かった。それに加えて、部屋が排出率の分散の半分の原因となっていた。これは、患者数と部屋の過去の使用が、ウイルス粒子への曝露の重要な決定要因であることを示唆している。

結論

我々の研究結果は、陽性の患者のいる部屋でケアを提供するとき、医療従事者が、機械的に換気されているときでさえ、かなりの曝露に直面していることを示している。医療従事者へウイルスが伝播する可能性を減少させるためには、これらの空間の処置と管理に、更に注意を向けるべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

SARS-CoV-2 陽性患者の病室の空気中からオミクロン変異株が検出されている。医療従事者へのウイルス曝露・伝播を減らすために、病室の換気・空調管理の重要性が示唆された。

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