ホンジュラスにおけるクロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile):持続性 RT027 遺伝子型および新規の RT002 遺伝子型のゲノムおよび表現型特性解析

2025.08.02

Clostridioides difficile in Honduras: a genomic and phenotypic characterization of the persistent RT027 and emergent RT002 genotypes

M. Andino-Molina*, M. Abdel-Glil, F. Hidalgo-Villeda, E. Tzoc, G. Schmoock, M.W. Pletz, H. Neubauer, C. Seyboldt
*Universidad Nacional Autónoma de Honduras, Honduras

Journal of Hospital Infection (2025) 162, 386-398


背景

クロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)は、病院および市中において臨床的に重要な嫌気性腸内病原菌である。本病原菌はペット、家畜、食物および環境中に遍在し、胞子を形成できるため、生存および拡散が促進される。強毒性および多剤耐性の遺伝子型が過去に中央アメリカで報告されている。

目的

ホンジュラスの 2 つの主要病院の患者からの 31 の分離株を特性解析する。

方法

第 2 世代および第 3 世代の全ゲノムシーケンシングおよび表現型による抗菌薬感受性試験。

結果

2 つの毒素産生ポリメラーゼ連鎖反応リボタイプ RT027(ST1)および RT002(ST8)が検出された。すべての RT027/ST1 分離株(29 株)はモキシフロキサシン、テトラサイクリンおよびリネゾリドに対して耐性を示したが、RT002/ST8 分離株(2 株)は感受性であった。また、すべての RT027 分離株に、抗菌薬耐性に関連する多くの可動遺伝因子が認められた。特に、コアゲノムの multi-locus sequence typing およびコアゲノムの一塩基多型解析により、RT027/ST1 分離株間の密接な遺伝的関係、2016 年からの持続性、そして衛生的および経済的帰結が不明な病院間の伝播イベントが明らかになった。さらに、C. difficile の市中感染との関連が知られており、人畜共通感染症とも関連する可能性があると考えられている遺伝子型 RT002 は、国内の疫学的状況において注目に値する知見である。

結論

総合すると、これらの結果は、C. difficile の持続性株および市中感染との関連で重要な株の存在と、それにより、ホンジュラスの国民保健システムで CDI を制御および予防できる介入法をワンヘルスの研究アプローチの中で採用および開発する必要性を浮き彫りにするものである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

なし

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