ビクトリア州の新生児集中治療室(NICU)における中心および末梢ライン関連血流感染症:包括的なビクトリア州サーベイランスネットワークからの結果、2008 年から 2024 年★

2025.07.08

Central- and peripheral-line-associated bloodstream infections in Victorian neonatal intensive care units: findings from a comprehensive Victorian surveillance network, 2008–2024

Z.R. Liu*, A.L. Bull, L.K. Phuong, M.J. Malloy, N.D. Friedman, L.J. Worth
*University of Melbourne, Australia

Journal of Hospital Infection (2025) 161, 83-91

背景

新生児は、医療関連血流感染症の高いリスクに直面する。これは、罹患率と死亡率の増加につながる。新生児の安全なケアと感染予防には、効果的なサーベイランスが極めて重要である。

目的

2008 年 7 月 1 日から2024 年 6 月 30 日までのビクトリア州のレベル 6 の新生児集中治療室(NICU)における中心および末梢ライン関連血流感染症(CLABSI および PLABSI)に関して、感染症の傾向、病原体の分布、抗菌薬耐性のパターンを評価すること。

方法

データは、豪ビクトリア州医療関連感染サーベイランスシステム調整センターが、米国疾病管理予防センター(CDC)の国立医療安全ネットワークガイドラインを使って収集した。前向きに収集されたデータの後向きデータ解析を実施し、感染症の疫学を検証した。

結果

全体で、581 例の新生児が CLABSI または PLABSI を発症した。これは、CLABSI の発生率の平均が 1,000 中心ライン日当たり 2.26 で、PLABSI の発生率の平均が1,000 末梢ライン日当たり 0.60 であることに相当した。全イベントの診断時の年齢の中央値は、16 日(四分位範囲 9 ~ 35 日)であった。研究期間中、CLABSI や PLABSI の発生率に傾向は観察されなかった。しかし、出生体重が 750 g 以下の新生児では、CLABSI の発生率が増加する傾向(発生リスク比 1.04、95%信頼区間[CI]1.00 ~ 1.07、P = 0.043)と、PLABSI の発生率が減少する傾向(発生リスク比 0.95、95%CI 0.92 ~ 0.99、P = 0.021)が認められた。報告された頻度が最も高かった微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌で、CLABSI の 44.0%と PLABSI の 39.5%の原因となっていた。

結論

ビクトリア州のNICUでは、研究期間中、CLABSI および PLABSI の発生率が低く維持された。低出生体重児の感染率が高くなっていることは、この罹患しやすい集団を標的とした感染予防戦略が必要であることをはっきりと示している。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

16 年におよぶ豪ビクトリア州のNICU の中心および末梢ライン関連血流感染症(CLABSI および PLABSI)サーベイランスの前向きに収集されたデータの後向きデータ解析。高リスク集団である NICU の BSI サーベイランスの重要性を改めて理解できる。

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