入退院時の普遍的スクリーニングおよび水の安全性の構築環境によって管理されたカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌の複数菌によるアウトブレイク★

2025.02.11

Polymicrobial outbreak of carbapenemase producing Enterobacterales managed using universal admission and discharge screening and water-safe built environment

M. Meda*, M. Weinbren, C. Nagy, V. Gentry, M. Gormley
*Frimley Health NHS Foundation Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2025) 156, 1-12

背景

カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)は、発生率が世界的に増加している抗菌薬耐性(AMR)菌である。病院が当該細菌伝播の発生源となり、地域によっては長期に及ぶアウトブレイクや、数年にわたる高い有病率が認められる。現行のスクリーニング対策の基盤は、入院時およびリスクに基づいたスクリーニングにとどまっている。エビデンスの増加により、病院の排水が伝播に重要な役割を果たすことが支持されている。Wexham Park 病院における CPE スクリーニング方針への変更が、いかにして病院ベースのアウトブレイクを特定し、ひいては、病院の排水システムからのリスクの特定と低減に至ったのかを報告する。

方法

入院期間が 34 週間を超える患者すべての入退院スクリーニングを実施するために、CPE 患者の強化スクリーニング(分子系統分類法を使用)を導入した。排水管のインフラを調査し、有望な介入を特定した。

結果

スクリーニング対策によって、種々の酵素、主にニューデリー・メタロ‐β‐ラクタマーゼ(NDM)および OXA-48 を保有する複数菌による病院規模の CPE アウトブレイクが認められ、病院の排水システムがリザーバとして作用していた。34 週間の強化スクリーニング期間に、スクリーニングを受けた患者の 1.2%が CPE 陽性で、そのうち 14%の患者が感染症を発症した。CPE 陽性患者 65 例のうち、47 例(73%)が、Wexham Park病院での院内感染と推定された。院内排水システム由来のリスクの軽減策と入退院時の普遍的スクリーニングの併用は、長期にわたり伝播の低減をもたらした。

結論

当該細菌の有病率が増加している医療環境において、水の安全性という概念の導入を、入退院時の普遍的スクリーニングに追加することは、CPE アウトブレイクの検出の改善と、その後の感染の低減に有効である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

新規入院患者が、入院時に耐性菌(今回はカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌[CPE])の保菌者かどうか、病院のリスクマネージメントとして発見し速やかに対処することが患者ならびに病院の両方に望ましい結果を導き出す。課題は、その医療環境でいかなるタイプの耐性菌の出現が問題となるのかどうかの見極めである。

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