成人入院患者のカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)を予防するための介入に関する実用的レビュー
Pragmatic review of interventions to prevent catheter-associated urinary tract infections (CAUTIs) in adult inpatients J. Gray*, A. Rachakonda, J. Karnon *Flinders University, Australia Journal of Hospital Infection (2023) 136, 55-74
背景
尿路感染症(UTI)は、最もよくみられる院内合併症の 1 つである。尿路カテーテルの挿入とカテーテル留置期間が主なリスク因子であり、カテーテル関連 UTI(CAUTI)は院内 UTI の 70 ~ 80%を占める。院内 CAUTI の予防に関するガイダンスは利用可能であるが、どうすればこのガイダンスを最適に運用できるのかが、依然として課題である。
目的
成人入院患者における CAUTI 予防のためのモデルオブケア介入に関する査読付き文献をマッピングし、要約した。
方法
PubMed、CINAHL および SCOPUS において、UTI、CAUTI または尿路カテーテルの転帰を報告した論文を検索した。系統的に論文のスクリーニングを行い、系統的にデータを抽出し、介入をその種類によって分類した。
結果
本レビューは 70 報の論文を対象とした。介入は、単一要素(N = 19)または多要素(N = 51)に分類した。単一要素の介入には、日々の回診または活動(N = 4)、プロトコールおよび手順の変更(N = 6)、リマインダーおよびオーダーセット(N = 5)、監査およびフィードバック介入(N = 3)、シミュレーションによる教育(N = 1)が含まれた。全体として、日々のカテーテルの点検と、プロトコールおよび手順の変更が、カテーテルおよび CAUTI の転帰に最も一貫性のある効果を示した。多要素介入の各要素を分類し、共通する要素をマッピングし、新しいアイデアを特定した。
結論
カテーテルおよび CAUTI の転帰に対するプラス効果のエビデンスがある、一連の介入選択肢の候補が特定された。これは、各地の意思決定者に介入選択肢の「メニュー」を提示し、意思決定者が各地の環境において意味のある実行可能な介入を特定できるようにすることを目的とする。
監訳者コメント:
CAUTI の転帰によってその予後が変わるので、この要因が個々の事例の予後と結びつく。
こうした転帰を考慮すると、CAUTI の臨床的な予後の転帰も大きく異なるであろう。
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