地域熱傷センターにおける家畜関連メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(LA-MRSA)クローン複合体 398 のアウトブレイク
An outbreak of livestock-associated meticillin-resistant Staphylococcus aureus (LA-MRSA) clonal complex 398 in a regional burns centre M.J. Stone*, C. Swales, S.E. Bond, P. Muthayya, J.B. Sarma *The Mid Yorkshire Hospitals NHS Trust, UK Journal of Hospital Infection (2022) 122, 1-8
背景
熱傷センターにおけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)のアウトブレイクが以前報告され、結果として死亡および罹患を招いた。本稿では、成人熱傷センターにおけるムピロシン耐性家畜関連 MRSA クローン複合体 398(LA-MRSA CC398)に起因する英国初のヒト関連アウトブレイクについて報告する。当施設では MRSA 感染症の有病率はこれまで非常に低かった。
目的
従来の方法および遺伝学的方法に基づき、アウトブレイクがどのように特定され、一連の感染予防・制御策によりいかに阻止されたのかについて臨床的かつ疫学的な状況を報告すること。
方法
ムピロシン耐性 MRSA のクラスターはアウトブレイクの調査につながった。後向き調査およびリアルタイム検査によるサーベイランスによって症例を検出した。分離株の全ゲノムシークエンシング(WGS)を継続して依頼した。症例の検出時点と介入について期間を通して提示した。
結果
アウトブレイクによる症例数は 12 例(男性 7 例、女性 5 例)で、年齢は 22 歳から 70 歳であった。患者は 2020 年 5 月から 10 月にかけて特定された。すべての患者が感染者ではなく保菌者であった。菌株は拡散前の発端症例に定着して、MupA を保有するプラスミドを獲得した。発端症例は養鶏家であることが確認された。このアウトブレイクは、WGS からの知見に基づき実施した感染予防・制御策、監視、職員への無作為除菌により、最終的に制御された。
結論
菌株がどのように当施設に侵入したのか、また職員の保菌者が関与したのかどうかも究明することはできなかった。このアウトブレイクにより、積極的サーベイランスや厳密な制御策にもかかわらず、数か月にわたり伝播が継続する可能性があることが確認された。
監訳者コメント:
ムピロシン耐性 MRSA のクラスター事例報告である。ムピロシンは鼻腔内 MRSA の除菌に使用される。既に薬剤耐性遺伝子も特定されている。ムピロシンの乱用により選択圧がかかりムピロシン耐性 MRSA が医療施設等に蔓延することが恐れられている。
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