韓国の病院の医療従事者におけるA型肝炎ウイルス感染の血清疫学

2009.07.31

Sero-epidemiology of hepatitis A virus infection among healthcare workers in Korean hospitals


S.-I. Jung*, C.-S. Lee, K.-H. Park, E.S. Kim, Y.J. Kim, G.S. Kim, D.S. Lim, J.E. Moon, J.J. Min, H.S. Bom, M.-H. Jung, Y.J. Chang, S.L. Chae, J.H. Lee
*Chonnam National University Medical School, Republic of Korea
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 251-257
韓国ではA型肝炎ウイルス(HAV)の報告が増加しており、韓国の医療従事者におけるA型肝炎ウイルス(HAV)のアウトブレイクも増加している。2008年に実施した本研究では、韓国の4病院の医療従事者3,696名のHAV感染について血清疫学の評価を行った。医療従事者を対象として、市販のキットを用いて抗HAV IgG抗体を調べた。人口統計学的特性、職業、勤務地、他の肝炎ウイルスの血清学的状態などのデータを収集した。統計学的解析を行い、HAV血清陽性に関連する因子を特定した。対象者3,696名のうち、女性は2,742名(74%)で、大部分(96%)が20~39歳であった(中央値28歳、範囲19~68歳)。職種の内訳は医師18%、看護師46%、看護助手10%、パラメディカル技術者11%、事務職員15%であった。HAV血清陽性率は年齢とともに有意に上昇し(P < 0.001)、24歳以下1.8%、25~29歳14.7%、30~34歳41.8%、35~39歳75.5%、40歳以上93.7%であった。20~39歳の対象者では、年齢区分別のHAV血清陽性率は医師が他の職種群と比較して有意に低かった(P < 0.001)。韓国では、29歳以下の医療従事者に対する集団ワクチン接種、または30~39歳の医療従事者に対する血清スクリーニングと非免疫者へのワクチン接種を、特に医師を対象に考慮する必要がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
生牡蠣等の食品を介したHAVの感染は有名であるが、こうも陽性率が高いのには驚かされる。

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