大腸の手術部位感染症発生率とその関連コストを明らかにするための退院後サーベイランス

2009.07.31

Post-discharge surveillance to identify colorectal surgical site infection rates and related costs


J. Tanner*, D. Khan, C. Aplin, J. Ball, M. Thomas, J. Bankart
*De Montfort University, UK
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 243-250
入院患者のデータのみに基づくことの問題点に注目したサーベイランス研究が増加しつつある。退院後サーベイランスデータが欠けていると、手術部位感染症(SSI)発生率と負荷を過小評価することになる。英国では、大腸手術の退院後サーベイランスデータは発表されていない。この領域のSSI発生率は極めて高いと考えられ、最も治療コストを要する領域の1つであるため、研究対象として重要である。今回、電話面接と家庭訪問による30日間のサーベイランスプログラムを用いて、大腸のSSIに関する研究を実施した。SSI患者が使用した医療資源の増加分を記録し、コストを算出した。組み入れ基準に合致し、30日間の経過観察を終了した105例中29例(27%)がSSIを発症し、このうち12例は退院後に診断された。SSI発症までの平均日数は13日であった。多変量ロジスティック解析から、体格指数(BMI)が唯一の有意なリスク因子であった。感染患者1例の治療に要した増加コストは10,523ポンドであったが、このうちの15%はプライマリ・ケアから支払われた。5か月間のサーベイランスプログラムの実施には5,200ポンドを要した。サーベイランス看護師の作業負荷の分析から、看護師は看護補助者(healthcare assistant)で代替可能であることが判明した。大腸手術後のSSI発生を検出するための退院後サーベイランスは、正確な増加コストの完全なデータを得るために必要である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
皮肉にも、わが国は術後の平均在院日数が長いため、専門家の間では日本のSSIサーベイランスのほうが精度が高いと考えられている。いずれにせよ、術後30日までフォローするのは大変なことである。

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*University of Washington Department of Laboratory Medicine, USA
 

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