新生児集中治療室の極早産児から検出された侵襲性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の生体消毒薬抵抗性率およびムピロシン耐性率:忍び寄る脅威か?

2013.04.30

Prevalence of resistance to antiseptics and mupirocin among invasive coagulase-negative staphylococci from very preterm neonates in NICU: the creeping threat?


M. Lepainteur*, G. Royer, A.S. Bourrel, O. Romain, C. Duport, F. Doucet-Populaire, J.-W. Decousser
*University Hospital Antoine-Béclére, France
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 333-336
新生児集中治療室(NICU)では、感染制御のための局所製剤の使用が増加している。本研究では、カテーテル関連血流感染症を有する極早産児から検出されたコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)分離株 51 株の調査を行った。このうち 41.2%は、少なくとも 1 種類の生体消毒薬に対する感受性低下を示しており(クロルヘキシジン 12%、ベンザルコニウム 24%、アクリフラビン 33%)、61%はムピロシン耐性であった。PCR 法による CNS からの qacA/B 遺伝子、mupA 遺伝子、または両遺伝子の検出率は、それぞれ 59%、63%、および 49%であった。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の 76%(パルスフィールド・ゲル電気泳動で特定された 5 つのサブグループすべて)とスタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis)の 11%(3 つのサブグループ中の 1 つ)は多剤耐性であった。低濃度の液体消毒薬による皮膚消毒、およびムピロシンの適応外使用を効果的に行うためには、これらの薬剤の管理プログラムが必要である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
CNS の消毒薬への感受性の低下は気になるところであるが、実用濃度における感受性への影響には言及されていない。これまでの研究では臨床的には問題がないと考えられているが、使用頻度と感受性を継続してモニターすることは意味があると思われる。

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*Antwerp University Hospital, Belgium

Journal of Hospital Infection (2024) 143, 195-202



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