手指消毒:アルコール製剤の皮膚刺激性はどの程度か?★

2008.10.15

Hand disinfection: How irritant are alcohols?


Harald Loffler*, Gunter Kampf
*SLK-Kliniken Heilbronn GmbH, Germany
Journal of Hospital Infection (2008) 70(S1) 44-48
刺激性接触皮膚炎は医療従事者の手指に高い頻度でみられ、水および洗浄剤との接触によるものと説明されることが多い。皮膚刺激性の程度は、洗浄剤よりアルコールを使用した後のほうが有意に軽度であることが、皮膚忍容性の研究により明確に示されている。フォームローラーを用いた標準的な洗浄試験でも、洗浄剤による手洗いの直後にアルコールまたは水を使用すると、皮膚刺激性の程度が有意に減少することが示されているが、おそらくは残存する洗浄剤が洗い流されるためと考えられる。看護師の研修の早期にエビデンスに基づいた手指衛生について指導することにより、刺激性接触皮膚炎が大幅に減少し、医療従事者における一次予防を主導するようになると考えられる。手指消毒薬として一般に用いられているアルコールの刺激性はごくわずかである。皮膚が洗浄剤や水などによってすでに炎症を起こしている場合、アルコールにより灼熱感が生じることがあるが、これはアレルギー反応ではなく、それ以上皮膚を障害することはない。いままでのところ、アルコールに対する真のアレルギー反応は確認されていない。皮膚科学の視点からみると、手指衛生のためのアルコールの使用には、水と洗浄剤による手洗いに優る明確な利点がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
手荒れは手指衛生上最大の課題である。アルコール系手指衛生剤においても保湿剤やエモリエント、セラミドなどの手を保護する成分を含んだ製品が、わが国でも台頭している。

同カテゴリの記事

2013.05.30

Pre-filled normal saline syringes to reduce totally implantable venous access device-associated bloodstream infection: a single institution pilot study

2010.01.31

Evaluation of hydrogen peroxide gaseous disinfection systems to decontaminate viruses

2015.09.30

Psychosocial determinants of self-reported hand hygiene behaviour: a survey comparing physicians and nurses in intensive care units

2022.04.20
Prediction of post-stroke urinary tract infection risk in immobile patients using machine learning: an observational cohort study

C. Zhu*, Z. Xu, Y. Gu, S. Zheng, X. Sun, J. Cao, B. Song, J. Jin, Y. Liu, X. Wen, S. Cheng, J. Li, X. Wu
*Chinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical College, China

Journal of Hospital Infection (2022) 122, 96-107

2011.10.30

Efficacy of an infection control programme in reducing nosocomial bloodstream infections in a Senegalese neonatal unit

JHIサマリー日本語版サイトについて
JHIサマリー日本語版監訳者プロフィール
日本環境感染学会関連用語英和対照表

サイト内検索

レーティング

アーカイブ