カテーテル接続に関連した血流感染症:2種類の接続システムの前向き試験★★

2007.09.30

Bloodstream infection related to catheter connections: a prospective trial of two connection systems


F. Esteve*, M. Pujol, E. Limon, M. Saballs, M.J. Argerich, R. Verdaguer, R. Manez, X. Ariza, F. Gudiol
*Hospital Universitario de Bellvitge Hospitalet de Llobregat, Spain
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 30-34
重症患者の管理上の問題として、中心静脈カテーテルおよび動脈カテーテル由来血流感染症が増加している。著者らの目的は、ニードルレス・バルブ接続システム(SmartSite笂・/span>、Alaris Medical Systems社、San Diego、CA、USA)のカテーテル由来血流感染症予防効果の評価である。集中治療部門入室患者の中心静脈カテーテルおよび動脈カテーテルの接続を、ニードルレス・バルブ接続システムまたは三方活栓のいずれかに前向きに割り付けた。両群の患者特性は同等であった。ニードルレス・バルブ接続システムは、操作前に0.5%グルコン酸クロルヘキシジン添加アルコール液で消毒した。三方活栓は、使用前後で消毒は行わなかったが、防護キャップで覆った。2002年4月1日から2003年12月31日の間に、マルチルーメンの中心静脈カテーテルまたは動脈カテーテルの留置を48時間以上必要とした、合計799例の患者を対象とした。カテーテル由来血流感染発生率は、消毒済みニードルレス・バルブ接続システム群で1,000カテーテル使用日あたり4.61、三方活栓群4.11であった(P=0.59)。中心静脈カテーテル由来血流感染症と動脈カテーテル由来血流感染症を個別に解析すると、中心静脈カテーテル由来血流感染症発生率は、ニードルレス・バルブ接続システム群で1,000カテーテル使用日あたり4.26、三方活栓群5.27であった(P=0.4)。動脈カテーテル由来血流感染発生率は、ニードルレス・バルブ接続システム群で1,000カテーテル使用日あたり5.00、三方活栓群2.83であった(P=0.08)。ニードルレス・バルブ接続システムを使用しても、カテーテル由来血流感染の発生率は低下しなかった。動脈カテーテルは、重症患者の重大な感染源である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
輸液管理においても閉鎖系回路による管理が有用であると考えられているが、ニードルレス・システムに関する評価は必ずしも一定していない。ニードルレス・バルブの中にもメカニカル・バルブ型とスプリット・セプタム型があり、今後の展開が注目される。

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