サウジアラビアの小児集中治療室におけるカテーテル由来血流感染の発生率、リスク因子、および転帰  ★★

2006.02.28

Rate, risk factors and outcomes of catheter-related bloodstream infection in a paediatric intensive care unit in Saudi Arabia


M.A. Almuneef*, Z.A. Memish, H.H. Balkhy, O. Hijazi, G. Cunningham, C. Francis
*King Abdulaziz Medical City/King Fahad National Guard Hospital, Saudi Arabia
Journal of Hospital Infection (2006) 62, 207-213
本研究の目的は、小児集中治療室(PICU)患者のカテーテル由来血流感染(CRBSI)の発生率、リスク因子、および転帰を明らかにすることである。10床の内科外科共用PICUを備える大学/三次医療センターであるKing Abdulaziz Medical City(650床、サウジアラビア、リヤド)で、前向きコホート研究を実施した。2000年7月~2003年2月にPICUに入室した中心静脈カテーテル留置患者すべてを対象に、挿入時から抜去後48時間まで、血流感染の発生を監視した。患者446例で2,493中心静脈カテーテル・日が記録された。男児273例(55%)、平均年齢2.6歳であった。446例のうち278例(56%)に先天性心疾患、108例(22%)に遺伝性疾患と先天性奇形のどちらかあるいは両方、55例(11%)に呼吸器疾患、42例(8%)に外傷が認められた。CRBSIは患者46例で50件認められ、発生率は1,000中心静脈カテーテル・日あたり20.06、器具利用率(device utilization)は57%であった。これら50件のうち、複数菌感染24件(48%)、グラム陰性菌感染16件(32%)、グラム陽性菌感染5件(10%)で、残り5件(10%)は真菌感染であった。分離数が多い菌はKlebsiella pneumoniae(12例、16%)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(10例、14%)、緑膿菌(8例、11%)であった。平均カテーテル留置日数は、CRBSI患者11.8日、血流感染非発生患者4.22日であった(P<0.0001)。平均PICU滞在日数は、CRBSI患者30.20日、血流感染非発生患者6.35日であった(P<0.0001)。血流感染の発生率は、手術室での挿入に比べてPICUでの挿入で高く、頸部または鎖骨下静脈からの挿入に比べて大腿静脈からの挿入で高かった(P<0.001)。リスク因子の多重ロジスティック回帰分析によると、CRBSI患者では複数の中心静脈ラインを挿入されていた確率が高く[オッズ比(OR)9.19、95%信頼区間(CI)3.76~22.43]、そのラインは完全静脈栄養に利用される確率が高く(OR 8.69、95%CI 3.5~21.4)、そのラインに沿ってガイドワイヤー交換が実施される率が高かった。CRBSIと死亡率に関連はなかった。著者らの病院におけるCRBSIの発生率は、米国院内感染サーベイランス(National Nosocomial Infection Surveillance)システムの報告に比べて高い。本研究により、将来の比較のためのベンチマークが確立された。全国的比較と予防策の開発のためには、サウジアラビアにおけるさらなる研究が必要である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
小児集中治療室における確固たる血流感染サーベイランス。データの表現も明晰であり、リスク因子も解析されていて大変参考になる論文である。

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