二段階か一段階か – 新生児保育器のコンタミネーションの除去法はどれも同じか?★★

2024.11.12

Two-step or one-step - are all methods for neonatal incubator decontamination equal?

S. Watkin*, H. Dunn, D. Ready, K. Rennie, A. Soares, L. Ciric, E. Cloutman-Green
*University College London, UK

Journal of Hospital Infection (2024) 153, 50-54


スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis)を含む医療に関連した病原体は、保育器の表面のコンタミネーションを起こす可能性があり、新生児集中治療室(NICU)における重大な懸念事項となっている。保育器のコンタミネーションの効果的な除去は、感染予防・制御に不可欠で、浸してコンタミネーションを除去することが推奨されることが多い。これは常に達成できるわけではない可能性があり、拭いてコンタミネーションを除去することがその代わりとなるとみなされている。ここで、我々は、新生児保育器の表面から微生物の代替マーカーを除去するコンタミネーション除去処置について、二段階法(酵素洗剤に浸した後に次亜塩素酸塩主体のワイプで拭く)の能力を一段階法(四級アンモニウム化合物を染み込ませたワイプで拭く)の能力と比較する。カリフラワーモザイクウイルス由来の 3 つの微生物代替マーカーを、2 つの Giraffe™ Omnibed™ Carestation™ 保育器の送風機、マットレスの縫い目、外のアームポートドアの留め金に接種した。保育器は、一段階または二段階のコンタミネーション除去処置でコンタミネーションを除去した。スワブ標本を、各保育器と周囲の環境の 28 カ所から採取し、マーカーの存在を qPCR で明らかにした。二段階のコンタミネーション除去法後、28 カ所の標本採取部位のうち 3 カ所(11%)がいずれかのマーカーについて陽性であったのに対して、一段階のコンタミネーション除去法後では、28 カ所のうち 12 カ所(43%)であった。一段階のコンタミネーション除去法後、マーカーは、保育器のいくつかの表面に移っていて、元の接種部位からも回収された。ドアの留め金に接種されたマーカーが最も移っていた。マットレスに接種されたマーカーは、どちらのコンタミネーション除去戦略でも残っていた。結論として、微生物代替マーカーは、一段階のコンタミネーション除去法のみでは、保育器の表面から完全に除去することができなかった。二段階のコンタミネーション除去法が最も有効な方法で、浸せる表面からマーカーを除去できるが、マットレスからは除去できなかった。これらの結果は、保育器の最終のコンタミネーション除去後も微生物が残っていられること、特にマットレスの上や、二段階のコンタミネーション除去処置が使われなかったときに残っていられることを示している。これは、微生物が保育器の表面に残るのを減らすために効果的なコンタミネーション除去を実践することが重要であることをはっきりと示している。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

保育器の構造上、清掃・消毒に課題が残る。本研究により、一段階法(第四級アンモニウムのワイプ清拭)と比べて、二段階法(酵素洗剤に浸した後、次亜塩素酸のワイプ清拭)が汚染除去に優れていることが示唆された。

同カテゴリの記事

2024.05.31
Should automated electronic hand-hygiene monitoring systems be implemented in routine patient care? Systematic review and appraisal with Medical Research Council Framework for Complex Interventions

D. Gould*, C. Hawker, N. Drey, E. Purssell
*Independent Consultant, UK

Journal of Hospital Infection (2024) 147, 180-187





2023.02.23
Viral cultures, cycle threshold values and viral load estimation for assessing SARS-CoV-2 infectiousness in haematopoietic stem cell and solid organ transplant patients: a systematic review

T. Jefferson*, E.A. Spencer, J.M. Conly, E.C. Rosca, S. Maltoni, J. Brassey, I.J. Onakpoya, D.H. Evans, C.J. Heneghan, A. Plüddemann
*University of Oxford, UK

Journal of Hospital Infection (2023) 132, 62-72


2021.01.31

Development and implementation of a national antimicrobial stewardship surveillance system, with open access data sharing

  1. Ashiru-Oredope*, E.L. Budd, A. Doble, E. Cramp, A. Hendrick, S. Hopkins

*Public Health England, UK

Journal of Hospital Infection (2021) 107, 16-22

2022.03.10
A strict mask policy for hospital staff effectively prevents nosocomial influenza infections and mortality: monocentric data from five consecutive influenza seasons

A.Ambrosch*, D. Luber, F. Klawonn, M. Kabesch
*Hospital of the Merciful Brothers Regensburg, Germany

Journal of Hospital Infection (2022) 121, 82-90

  
2024.10.31
Simulated-use evaluation of rapid ChannelCheck™ cleaning test for optimal detection of organic residues in flexible endoscope channels

K. Kulkarni*, M. Gavette, M.J. Alfa
*A Getinge Company, USA

Journal of Hospital Infection (2024) 152, 66-72