気管支鏡検査中の感染性呼吸器粒子放出の源となる事象は何か:前向き環境研究★
What is the source event of infectious respiratory particles release during bronchoscopy: a prospective environmental study C.Y. Zhou*, W.Q. Hu, J.Y. Li, L. Lou, H.L. Xu, Q. Gu *Zhejiang University School of Medicine, China Journal of Hospital Infection (2026) 174, 194-202
背景
気管支鏡検査は、エアロゾルを発生させる処置と認識されている。しかし、標準的な感染制御策が感染性呼吸器粒子の放出を十分に軽減できるかどうかは、依然として、はっきりしていない。感染性呼吸器粒子放出を定量し、源となる事象を特定することが、方針の策定に不可欠である。
方法
意識のある患者の気管支鏡検査中に粒子のリアルタイムモニタリングを行う環境研究を実施した。光学式粒子径測定装置を使い、粒子濃度をモニターし、生菌用カスケードインパクターを使い、空中細菌をモニターした。時間的相関を調べるために、処置の事象と患者の反応をすべて記録した。
結果
反射性の咳が94%の処置で発生し、感染性呼吸器粒子放出の源であった。咳は、0.5 μm の粒子の濃度を中央値で 37,183.95 N/L 増加させた。これは、ベースラインのレベルより二桁多い値であった。マスクの使用は、感染性呼吸器粒子放出を軽減させたが、完全に防ぐことはできなかった。咳がなければ、気管支鏡の挿入も気管支肺胞洗浄も有意なレベルの粒子を発生させなかった。さらに、処置中、空中アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)が検出された。
結論
気管支鏡検査中の現在の標準的な感染制御策は不十分である。反射性の咳は、ほぼいつでも発生し、封じ込めに穴をあける有意な感染性呼吸器粒子放出の主要な源である。マスクは、ある程度軽減できるかもしれないが、実臨床での有効性は限られている。静電空気清浄のみでは、粒子の散発的な放出に対して即時に対処するには不十分である。感染リスクを最小限にするためには、経鼻のアクセスを残したまま咳を封じ込める密閉されたオーラルインターフェースのような源を制御する技術や、空気の動的な管理戦略について更に研究することが必要である。
承認番号
IIT20240332B-R1。
監訳者コメント:
覚醒下気管支鏡検査では、挿入や BAL そのものではなく、それらに誘発される反射性咳嗽が粒子急増の主因であることをリアルタイム測定で示した。したがって、咳の抑制と発生源での封じ込めが重要となる。ただし、対象は 16 例で、測定粒子が患者由来または感染性であることは確認されていない。A. baumannii も患者株との一致が未検証であり、現行感染対策全体が不十分と断定するのは過剰である。
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