標準化された手術部位感染症予防バンドルの開発:診療ガイドラインのスコーピングレビュー★★

2026.08.28

Developing a standardised surgical site infection prevention bundle: a scoping review of clinical practice guidelines

I. Radman*, T. Poklepovic Pericic, Z. Krizanac, A. Babic, I. Bodys-Cupak, M.M. Bala, R. Tokalic, A. Marušić, L. Puljak, O. Barcot
*University of Split, Croatia

Journal of Hospital Infection (2026) 174, 170-184

序論

手術部位感染症(SSI)は、よくみられ、予防可能であるが、診療ガイドライン(CPG)にある周術期の推奨事項の多くは、より広い周術期のパスウェイの中に埋め込まれていて、SSI 予防のために一貫して組み立てられているわけではない。我々は、ガイドラインに基づく周術期の介入を統合し、推奨事項の強さと裏付けとなるエビデンスを評価し、明らかにSSI のために組み立てられているかどうかを評価し、SSI に焦点を当てた実施のための段階的な枠組みを開発した。

方法

このスコーピングレビューでは、2012 年 1 月 1 日から 2025 年 7 月 1 日までに英語で発表された CPG を、PubMed、EMBASE、ガイドラインのリポジトリ、職能団体のウェブサイトで特定し、解析した。介入についての記述を、予め SSI 特異的なフィルターにかけることをせずに抽出し、事前に規定した作業の規則に従ってまとめ、SSI に関係した領域にマッピングし、明らかに SSI のために組み立てられているかどうか、推奨事項の強さ、エビデンスのレベル、方法論の厳密さについて評価した(実用的な AGREE II を使って吟味)。介入は、普遍的な中核となる対策、拡大された臨床的対策、およびシステムのレベルでの/状況による対策に分類した。

結果

44 個の CPG から周術期介入が 40 個の領域にまとめられた。明らかに SSI のための組み立てには、かなりの違いがあった。術中の感染制御対策および創傷に関係した対策が、SSI との最も一貫したつながり、最も強い推奨事項、および中等度から高い確実性のあるエビデンスを示した。生理学的対策、行動に関する対策、栄養に関する対策、組織としての対策が、しばしば推奨されていたが、SSI 予防のために一貫して組み立てられているよりも、状況に依存することの方が多かった。Enhanced Recovery After Surgery(ERAS)ガイドラインには、SSI に関連することが暗示されている内容がかなり含まれていた。最終的な枠組みは、9 個の普遍的な対策(優先度の高い不可欠なもの 6 個と追加の普遍的な対策 3 個)、SSI に関連する拡大された臨床的対策のより広いセット、システムのレベルでの状況によって可能となる対策で構成された。

結論

周術期の指針には、SSI に関連する内容がかなり含まれているが、明らかに SSI のために組み立てられているかどうかについては一貫していない。このレビューは、現時点のガイドラインの推奨事項を構造化された方法で記述的に統合し、SSI に焦点を当てた段階的な枠組みを提供している。この枠組みは、現地での監査、実施計画、および将来の前向き評価の助けになる可能性があるが、妥当性が確認されている普遍的な標準ではない。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
44 の診療ガイドラインを整理し、抗菌薬予防投与、適切な除毛、皮膚消毒、正常体温維持、血糖管理、標準化された創傷管理を、実装上優先する 6 項目として提示している。SSI 専用指針だけでなく、ERAS に内在する感染予防要素を可視化した点に意義がある。ただし、介入効果を再評価した研究ではなく、分類には専門家判断が含まれる。検証済みの国際標準ではなく、地域で調整すべき実装・監査用の枠組みである。

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