最近英国に建設された単床室の心臓胸部専門病院におけるカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌のアウトブレイクの迅速な制御

2026.06.17

Rapid control of an outbreak of carbapenemase-producing enterobacterales in a recently built, single-bedded, specialist cardiothoracic hospital in England

J. Cavaye*, O. Allen, K. Randall, E. Heinsbroek, D. Edwards, S. Palma, N.S. Pittock, R. Thannivila-Rajan, K. Juggernauth, M. Day, M. Jansen Van Rensburg, K. Dimitrakopoulou, W. Khan, J. Turton, D. Williams, K. Osman, I. Smith, M. Screaton
*UK Health Security Agency, United Kingdom

Journal of Hospital Infection (2026) 172, 242-249

背景

抗菌薬耐性のカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)が世界中で拡大していることは、主要な懸念事項の 1 つである。最近建設された単床室の心臓胸部病院でアウトブレイクが発生した。そこでは、脆弱な患者を守るのに感染制御が極めて重要であった。

目的

この研究の目的は、現代的な病院における CPE の伝播動態と、その後にアウトブレイクを封じ込めるために使われた制御方策について記述することであった。

方法

症例は、2024 年 6 月からの入院症例でCPE(KPC-2)のポリメラーゼ連鎖反応が陽性であり感染症例と診断した。罹患患者のいる病棟の患者に対して、入院時および毎週の直腸スクリーニングを実施した。スクリーニングの陽性率は、制御方策の実施前と後で算出した。環境検体35 個を採取し検査した。関係を理解するために、臨床検体および環境検体からの分離株の全ゲノムシークエンシング(WGS)を実施した。共通の場所を特定するために、症例の院内での動きをプロットした。

結果

34 症例が特定された。それらは、WGS で関係があり、院内での伝播であったことが示された。環境検体の 4 個が CPE 陽性であった。1 個の検体(床を洗う道具からの)のみが、臨床検体と遠い関係があった。症例の間で共通する場所は特定できなかった。制御方策には、スクリーニングの頻度増加、待機的手術の一時中止、症例のコホーティング、「2 回の」クリーニング、床清掃用具の使用の一時中止、接触予防策、等があった。スクリーニングでの陽性が、11.9%から、制御方策の実施後に、0.4%まで低下した。

結論

CPE は多数の領域で急速に広がった。包括的な制御方策でアウトブレイクが封じ込められた。臨床分離株と環境分離株の間に明確なつながりは見出されなかったが、軽視もできなかった。CPE が拡散してることから、本研究結果では、将来のアウトブレイクを防ぐためには、最先端の病院においてでさえ、厳格な感染制御に加えて、スクリーニングのガイドラインの見直しが必要であると示された。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

特に無し

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Journal of Hospital Infection (2024) 151, 109-115