全自動内視鏡洗浄装置の実現に成功

2026.06.17

Successful realisation of a fully automated endoscope cleaning system

T.D. Duong*, R.K. Hartley, R.J. Hartley, R. Bromley, T. Worthington, H. O’Connor, A.J. Sutherland
*Aston University, UK

Journal of Hospital Infection (2026) 172, 1-7

背景

内視鏡、特に十二指腸内視鏡は、洗浄後も汚染されたままである場合があり、そのため感染性病原体を患者から別の患者へ移動させる可能性がある。本研究の目的は、内視鏡洗浄における用手工程を、完全に自動化された洗浄工程に置き換え、洗浄結果を改善することが可能かどうかを検討することであった。

方法

協調的に作用して高度の抗菌活性を示す、新たな物質を開発した。これらの物質を利用して、全自動内視鏡洗浄装置を従来の用手洗浄プロトコールと比較評価できるように、自動内視鏡洗浄機の試作品を作成した。

結果

新物質により、内視鏡の管に増殖させた微生物バイオフィルムが 107 ~ 108 分の 1 に減少し、これは高度消毒で認められる減少と同等であった。これらの物質は英国規格 BS EN 13697:2015+A1:2019 で必要とされている主要細菌株のすべてに対して活性を示し、酵母のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対しても活性を示した。これらの物質を使用するように設計した、試作品の自動内視鏡洗浄機を組み立て、非ヒト試験において、細菌ベースの人工テストソイル(肺炎桿菌[Klebsiella pneumoniae]または緑膿菌[Pseudomonas aeruginosa])で汚染させた 2 種類の異なる軟性内視鏡(内視鏡的逆行性胆管膵管造影用内視鏡、消化管内視鏡)に対する洗浄能力を評価した。両種類の内視鏡において、全自動内視鏡洗浄装置は、優れた細菌負荷量減少(1010 ~ 108.8 分の1)をもたらし、用手洗浄よりも効果が概して約 100 倍高いことが見出された。

結論

本研究の結果は、内視鏡の全自動洗浄は今や現実的にあり得ることであり、大きな健康上およびコスト上の利益をもたらす可能性があることを示している。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本研究の革新性は、従来の装置が行う消毒だけでなく、これまで手動に頼っていた予備洗浄やブラシ洗いの工程を完全に自動化した点にある。銀と二酸化マンガンの粒子に過酸化水素を組み合わせた化学作用により、ブラシでこすらなくても手動の約 100 倍という高いバイオフィルム除去効果を発揮する。これにより、人為的な洗浄ムラによる汚染残存や、医療従事者の業務負担という臨床現場の課題を根本から解決できる可能性がある。今後は実臨床での長期的な検証や、生きていても培養できない特殊な細菌(VBNC)への効果確認、標準規格の承認が課題となる。

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