帝王切開で分娩する女性における手術時予防的抗菌薬投与:診療ガイドラインのシステマティックレビュー
Surgical antibiotic prophylaxis in women undergoing caesarean delivery: a systematic review of clinical practice guidelines T. Wade*, A. Looby, J. Burgert, N. Roberts, C.J. Heneghan, I.J. Onakpoya *University of Oxford, UK Journal of Hospital Infection (2026) 169, 74-84
背景
診療ガイドライン(CPG)は、帝王切開で分娩する女性における手術時予防的抗菌薬投与の指針として、病院において不可欠である。CPG は存在するが、それらの文書の質が検討されることはまれである。
目的
本システマティックレビューの目的は、帝王切開における予防的抗菌薬投与を指示するCPG の質を検討し、現在の推奨に情報を提供しているエビデンスを評価することであった。
検索方法
Medline、EMBASE および LILACS において、2015 年から 2025 年に公表された、帝王切開分娩における手術時予防的抗菌薬投与に関する推奨を含む文献を系統的に検索した。Google Scholar、団体のデータベースおよび組み入れた研究の参考文献一覧も検索した。
選択基準
2 名のレビュアーが独立して、検索された文献のタイトルとアブストラクトをスクリーニングした。2名のレビュアーが独立して、特定された論文をフルテキストレビューのためにスクリーニングした。
データ収集および解析
データは、2 名のレビュアーが標準化されたデータ収集ツールを用いて独立して収集した。不一致は協議により解決した。
主な結果
複数の地理的地域から得られた 11 件のガイドラインをレビューの対象とした。切開前のセファゾリン投与が、45%のガイドラインによって明確に推奨されていた。Appraisal of Guidelines for Research and Evaluation(AGREE)II ツールを用いて評価すると、各ガイドラインの方法論的な質は、検討した領域のうち 4 領域について大きく異なった。スコアの中央値は利害関係者の参加が 54%(範囲:7 ~ 96)、作成の厳密さが 43%(4 ~ 97)、適用可能性が 14%(0 ~ 88)、編集の独立性が 58%(0 ~ 100)であった。一部の CPG については、ガイドライン作成に関連する情報にアクセスできなかった。
結論
CPG 作成は厳密な過程であるべきであり、作成に関するすべての情報に、診療推奨事項の利用者と受益者が容易にアクセスできるようにすべきである。
監訳者コメント:
帝王切開で分娩する女性における手術時予防的抗菌薬投与が、診療ガイドラインでどのように取り扱われているのかをシステマティックレビューにより分析を行っている。Medline と EMBASE および LILACS において、2015 年から 2025 年に公表された帝王切開分娩における手術時予防的抗菌薬投与に関する推奨を含む文献を検討した結果、45%の診療ガイドラインで推奨されていた。診療ガイドラインの透明性が課題である。
※『システマティックレビュー(systematic review)』とは?:特定の研究課題について同定・定義・評価するための批判的手法を用いて、課題に関する学術的統合のこと。課題に関する科学文献からデータを抽出し解釈し、その解釈を分析・記述・批判的に評価し根拠に基づく結論を導くものである。
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