外脳室ドレナージにおいてボルト接続型銀コーティングカテーテルはトンネル型抗菌薬含浸カテーテルより感染リスクが低い:パイロット研究★

2025.12.13

Bolt-connected silver-coated external ventricular drains have a lower risk of infection compared with tunnelled antibiotic-impregnated catheters: a pilot study

R. Gutiérrez-González*, T. Mediavilla , C. Ortega-Angulo , T. Kalantari, A. Zamarron
*Puerta de Hierro University Hospital, IDIPHISA, Spain

Journal of Hospital Infection (2025) 166, 21-27

目的

脳室ドレナージ術関連感染症のリスクを、使用された外脳室ドレナージカテーテルの種類、すなわちボルト接続型銀コーティングカテーテルとトンネル型抗菌薬含浸カテーテルについて比較すること、またどちらのカテーテルが優れているかを明らかにすること。副次的エンドポイントは、脳室ドレナージ術の期間による感染症のリスクを推定することとした。

方法

前向き単一施設コホート研究。対象は、2022 年 1 月から 2024 年 8 月の間に外脳室ドレナージ留置を受けたすべての患者。主要エンドポイントは感染症とした。Cox回帰分析を用い、可能性のある交絡共変数を補正して、ドレナージカテーテルの種類によるハザード比(HR)を算出した。Kaplan Meier曲線を用いて感染症の累積リスクを推定した。

結果

施術 90 件を解析した。感染症の全発生率は 7.8%であった。感染症のリスクは、留置条件および脳室ドレナージ術の期間を補正後、トンネル型抗菌薬含浸カテーテルを用いた場合はボルト接続型銀コーティングカテーテルを用いた場合より有意に高いことが確認された(HR 7.61、95%信頼区間[CI]1.30 ~ 44.38、P = 0.024)。集中治療室(ICU)でのドレナージ留置は手術室でのドレナージ留置よりも、感染症の高リスクと独立して関連していた(HR 8.16、95%CI 1.17 = 56.94、P = 0.034)。脳室ドレナージ術関連感染症のリスクは、5 日目(すなわち、外脳室ドレナージ留置後 5 日目)までは 0%、10 日目までは 1.6%、および 30 日目までは 23.5%であった。

結論

ボルト接続型銀コーティングカテーテル(抗菌コーティングおよび頭蓋骨固定)は、皮下トンネル型抗菌薬含浸カテーテルよりも脳室ドレナージ術関連感染症のリスクが 88 %低いことと関連した。ICU でのドレナージ留置は手術室でのドレナージ留置よりも感染症のリスクが高いことと関連した。脳室ドレナージ術関連感染症のリスクは、5 日目までは 0%、10 日目までは 1.6%であった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

脳室ドレナージは主としてブドウ球菌属による逆行性感染により重篤な転帰となるため、脳室ドレナージ関連感染症を減らす試みがされている。本論文では抗菌性のある銀コーティングカテーテルをボルト固定することで感染率を減らせることが示唆された。銀 対 抗菌薬含浸、ボルト固定 対 皮下トンネルという設定のため、素材の効果と固定方法の効果を分離できていないこと、また単施設でのパイロット研究であることから、今後多施設でのランダム化比較試験を素材と固定法とに分離して実施されることで脳室ドレナージ関連感染症防止のより確実なエビデンス構築に寄与する。

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