手術室の空中浮遊菌と手術創汚染および手術部位感染症との相関:システマティックレビュー

2025.12.13

Correlation of airborne bacteria in the operating room with surgical wound contamination and surgical site infection: a systematic review

J. Seth Caous*, K. Svensson Malchau, C. Björn, B. Lytsy, P. Grant, O. Rolfson, A. Erichsen
*University of Gothenburg, Sweden

Journal of Hospital Infection (2025) 166, 121-137

背景

手術室の空気の質が手術部位感染症(SSI)のリスクに及ぼす影響は、議論の的となっている。本システマティックレビューでは、清潔手術における手術中の空気汚染と(1)創部汚染および(2)SSI 発生率との相関を検討する。

方法

Medline、EMBASE および Cochrane Library を用いて、清潔手術における手術中の空中浮遊菌と手術中の創部汚染または SSI 発生率との相関を検討した原著論文を検索した。3名のレビュアーが別々に、Rayyan を用いて、検索された論文の適格性をスクリーニングし、Integrated Quality Criteria for the Review of Multiple Study Designs の方法論を用いて論文の質とバイアスリスクを評価した。不均一なデータの記述的統合は、システマティックレビューにおけるメタアナリシスなしの統合(Synthesis without meta-analysis:SWiM)報告ガイドラインに従って行った。

結果

11 件の研究(患者合計 18,694例)を含む 13 件の文献を対象とした。8 件の研究が創部汚染に焦点を当てており、そのうち 2 件において手術中の空気汚染との有意な相関が示された。5 件の研究で SSI発生率が検討されており、そのうち 3 件において空気汚染との有意な相関が示され、1 件において換気システムとの有意な相関が示された。

結論

空気の質と創部汚染との相関を検討した研究の多くは著しいばらつきを示し、検出力不足である可能性が高かった。しかし、3,000 例以上の創部検体を用いた 1 件の研究において、創部汚染と空気の質との間に有意な相関が認められた。空気汚染と SSI 発生率に関する研究は限られており、さまざまであったが、相関があると考えられる。しかし、100 コロニー形成単位/m3 未満の汚染濃度が、創部汚染および SSI 発生率に及ぼす影響を理解するためには、十分な検出力を備えたさらなる研究が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

システマティックレビューでの手術室の空気の質と手術部位感染症(SSI)のリスクについて、評価を加えているが自ずとして評価にシステマティックレビューを用いることでばらつきが生ずることはゆがめない。

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