複数患者を同時に診療する歯科環境における HEPA ろ過および UV-C 照射機能付きポータブル空気清浄機による空気汚染の減少

2025.12.13

Portable air cleaners with HEPA filtration and UV-C irradiation to reduce air contamination in a multi-patient dental environment

M.O.P. Alvarenga*, J.M.M. Dias, B.J.L.A. Lima, J.M. de Souza, F.F. Manta, A.S.L. Gomes, G.Q.M. Monteiro
*University of Pernambuco, Brazil

Journal of Hospital Infection (2025) 166, 110-120

背景

歯科処置によって発生するエアロゾルや飛沫は、細菌、真菌、ウイルスなどの感染性病原体を運び(バイオエアロゾル)、表面に沈着するまでに空気を汚染する可能性がある。

方法

この in situ 研究では、ブラジル、ペルナンブコ州レシフェにある共用歯科環境において、超高性能フィルタ(HEPA)と紫外線殺菌照射(UV-C)の両方を備えた 2種類の市販のポータブル機器を用いて、達成される空気の汚染除去を評価した。物理的、化学的および微生物学的測定法により、環境を評価した。共分散分析(ANCOVA)または Wilcoxon 検定を用いてデータを解析した。

結果

対照と比較して、いずれの空気清浄機もバイオエアロゾル数を有意に減少させ、室内/屋外(I/O)比を改善し、特にエアロゾル発生源の近傍で 6 時間連続運転した後に効果がみられた。これらの結果から、ポータブル空気清浄機をエアロゾル発生源の近傍に置くことにより、共用歯科環境における微生物汚染が効果的に減少し、個人防護具(PPE)や定期的な用手清掃の効果が補完されることが示唆される。この環境において、ポータブル空気清浄機(モデル 1、モデル 2)はいずれもバイオエアロゾル量を有意に減少させ、交絡因子を調整すると、モデル 1 の方が 5 μm 以下の粒子に対する効果が高かった。6 時間の連続使用後に有意な減少が認められた。いずれの機器も推奨される空気の質の限度を満たしていたが、1 時間あたりの換気回数は依然として臨床基準を下回り、複数の装置の必要性が強調された。

結論

ポータブル空気清浄機は感染制御を援助する可能性がある。しかし、ポスト COVID-19 の時代においても、換気システムのアップグレード、一貫性のある PPE 使用および管理的制御が依然として必須である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

歯科治療環境における求められる空気清浄度と、歯科治療の影響について考えさせられる研究である。

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