臨床看護環境における無菌操作:スコーピングレビュー

2025.11.25

Aseptic technique in clinical nursing settings: a scoping review

H.M. Kent*, S.A. Dawson, J.M. Lewis, B.G. Mitchell
*Avondale University, School of Nursing and Health, Lake Macquarie, New South Wales, Australia

Journal of Hospital Infection (2025) 165, 171-180

無菌操作は標準的予防策の一要素であり、看護実践における基本概念である。その基準の適用は、状況に応じて、また看護師ごとに異なるようである。施設間および個人間での原則や適用のばらつきは、現在のエビデンスに基づく文献の差異を反映している可能性がある。本スコーピングレビューの目的は、現在の文献をマッピングし、臨床看護に関連する無菌状態および無菌操作の重要な概念と定義を明確化することである。スコーピングレビューに関する Joanna Briggs Institute のガイドラインおよび PRISMA-ScR に合わせて、系統的検索を実施した。電子データベースの Medline および CINAHL において、Medical Subject Headings(MeSH)と自由記述の用語を組み合わせて検索を行った。2004年 1月 1日から 2024年 12 月 31 日までに発表された研究を対象とし、Covidence でスクリーニングした。1 名のレビュアーがタイトルとアブストラクトを調べ、2 人目がランダムサンプルを確認した。2 名のレビュアーがフルテキストレビューを行った。データ抽出は、事前に規定したデータベースを用いて行った。合計 2,812 件の研究が最初に特定され、スクリーニングとフルテキストレビューの後、そのうち 31 報の論文をレビューの対象とした。対象とした論文の半数が、英国(N = 6)、米国(N = 5)およびオーストラリア(N = 4)の 3 か国から発表されていた。多数の論文において無菌状態または無菌操作が定義されておらず、無菌操作を適用する際に用いられる用語に、著しいばらつきが認められる。本スコーピングレビューでは、エビデンスに基づく文献において、臨床看護環境での無菌操作の定義、原則および適用にばらつきがあることが強調されている。計画中のより大規模な研究プログラムに有益な情報となるであろう。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本研究は、看護における無菌操作に関する 31 の文献を分析したスコーピングレビューである。「無菌操作」を明確に定義していたのはそのうち 8 編のみであり、ANTT®(Aseptic Non-Touch Technique)、滅菌手技、清潔操作といった用語が混在して使用されている現状が浮き彫りとなった。この用語や原則の不統一は、教育やガイドライン策定の障壁となり、臨床実践のばらつきを生む主因となっている。感染対策の基本手技でありながら、その概念が曖昧なままであることは重大な課題であり、患者安全のためにも国際的な用語と原則の標準化が急務であると再認識させられる。

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