Kremer の清掃分類システムを利用および解釈した再利用可能医療機器の分類に基づく患者リスクを評価する新しい定量的方法★
A new quantitative method for determining patient risk for reusable medical device categorization based on using and interpreting Kremer’s cleaning classification system T. Kremer*, N.J. Rowan, G. McDonnell *Technological University of the Shannon Midlands Midwest, Ireland Journal of Hospital Infection (2025) 155, 234-247
背景
再利用可能な医療機器の洗浄には、洗浄プロセスの有効性、ひいてはその後の患者の安全性に影響を与えうる固有の課題がある。流体力学は洗浄薬の流れや分布を決定する上で重要な役割を果たし、機器の設計がこの重要なプロセスを促進することも妨げることもある。複雑な形状や流路が狭かったり、表面が不規則であったりすると汚染物質の効果的な洗浄を妨げ、不完全な洗浄につながり、患者の汚染のリスクを引き起こす可能性が高くなる。
方法
23 種類の機器の特徴を対象に、最も困難な清掃条件に曝露させ、流体力学と汚染物質の保持における失敗点を特定した。前述の実験結果と関連する複合リスクを用いてリスク値を設定した。最も洗浄が困難な機器の特徴アプローチを基本リスク値として、形状、材料使用、洗浄の種類、および患者の使用目的のばらつきに焦点を当てた 14 の質問に答えて得られた数値から、さまざまな再利用可能な医療機器について総定量的リスクスコアを算出した。Kremer の清掃分類を基に、特定の特徴を持つ機器の患者リスク値を評価した。
結果
リスクスコアが 18 未満の場合は最小リスクの機器とされ、18 から 39 の間は中程度のリスク、40 以上の場合は最大カテゴリーに分類された。
結論
この定量的評価手法を適用することで、再利用可能な医療機器の洗浄におけるリスクの適切な軽減が促進され、的を絞った効果的な介入の使用に役立つ。今後、このKremer 洗浄分類を使用することで、消毒・滅菌方法を補完・増強することが可能である。
監訳者コメント :
この研究では、再利用可能な医療機器に関連する洗浄プロセスのリスク評価に焦点を当てた新しいアプローチを提案しており、例えば洗浄性が問題となる複雑な医療機器(例:内視鏡)に対して有用性が高いと考えられる。この評価システムを日本に導入する際はコストや人員の負担について検討が必要と思われる。
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