再使用可能な医療機器でのプリオン不活化法の有効性を証明するための protein misfolding cyclic amplification 法(PMCA):動物試験に代わる妥当な方法
PMCA to demonstrate the efficacy of prion inactivation methods on reusable medical devices: a relevant alternative to animal bioassays A. Igel*, M. Moudjou, P. Destrez, P. Clayette,V. Béringue *Université Paris-Saclay, INRAE, France Journal of Hospital Infection (2024) 154, 60-63
医療機器でのプリオン不活化法の妥当性の確認は、in vivo での実験プロトコルに頼っている。しかし、生物検定は費用がかかり、時間がかかり(1 年から 2 年)、倫理的に議論の余地がある。それに加えて、1 つのプリオン株、例えば 263K(ヒツジのスクレイピー由来でハムスターに適合した株)で得られた結果は、重要なヒトのプリオン株に簡単に外挿できないことが、生物検定の有用性に更に疑問を投げかける。過去 20 年間に亘って、無細胞プリオン増幅検査が生物検定に代わる可能性があるものとして出現してきた。プリオンの感染性を測定するのではなく、プリオンのシード活性(すなわち、正常なプリオン蛋白質を疾患と関連するアイソフォームに変換する能力)を定量する。3 つの異なるプリオン株―263K、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病由来のヒトプリオン、散発性クロイツフェルト・ヤコブ病由来のヒトプリオン―を使った 4 つの方法について「miniaturized-bead protein misfolding cyclic amplification」(mb-PMCA)と呼ばれる最適化された無細胞検査で得た結果を、同じ 3 つの株と方法を入手できたときには使った生物検定の発表されている結果と比較した。基準となる方法(蒸気、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム)について実施した検査と低温での H2O2 滅菌(STERRAD NXTM Advanced サイクル)について実施した検査は、mb-PMCA と入手できた生物検定との間で完全な一致を示した。STERRAD NXTM Advanced サイクルは、3 つのプリオン株すべてに対して有効であった。これらのデータは、プリオン不活化法の評価において、PMCA、特に mb-PMCA が動物試験に代わる重要な方法であることを確認している。そして、また低温での数回の H2O2 滅菌サイクルを興味深いものとしている。
監訳者コメント:
特になし
同カテゴリの記事
In-vitro antibacterial and anti-encrustation performance of silver-polytetrafluoroethylene nanocomposite coated urinary catheters
A prototype catheter designed for ultraviolet C disinfection
Community-acquired, healthcare-associated and hospital-acquired bloodstream infection definitions in children: a systematic review demonstrating inconsistent criteria
Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae in Irish critical care units: results of a pilot prevalence survey, June 2011
Meticillin-resistant Staphylococcus aureus infection – the infectious stigma of our time?