帝王切開においてどの消毒薬を使用すべきか?無作為化対照試験のシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシス

2024.06.30

Which antiseptic to use for a caesarean section? A systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials

L.S. Aho Glele*, E. Simon, C. Bouit, M. Serrand, L. Filipuzzi, P. Sagot, K. Astruc, P. Kadhel
*Dijon University Hospital, France

Journal of Hospital Infection (2024) 148, 119-128




術前皮膚消毒に関するガイドラインは、クロルヘキシジンアルコール溶液の使用を推奨している。しかし、ポビドンヨード水溶液またはポビドンヨードアルコール溶液など他の消毒薬の使用が継続されている。帝王切開における無作為化対照試験(RCT)はまれであり、比較が可能なすべての消毒薬を含んでいるとはいえない。本研究の目的は、帝王切開の RCT のみを含むネットワークメタアナリシスにより、2 通りの濃度(0.3%、2%)のクロルヘキシジン、およびポビドンヨード水溶液またはポビドンヨードアルコール溶液の有効性(手術部位感染症の減少)を評価することである。脆弱性指数および予測区間も推定した。文献のシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシスを実施した。PubMed、ScienceDirect、Cochrane Library を用いて 2024 年 2 月までに発表された RCT を抽出した。介入には、ポビドンヨードアルコール溶液、ポビドンヨード水溶液、2%および 0.3%のクロルヘキシジンアルコール溶液を含めた。主要評価項目は手術部位感染症とした。ネットワークメタアナリシスには、9 件の RCT(患者 4,915 例、4 つの介入)を含めた。比較した介入のすべての信用区間は重複した。手術部位感染症の予防に有効性を示す確率がもっとも高かったのは、2%クロルヘキシジンアルコール溶液で、ポビドンヨードアルコール溶液と続いた。脆弱性指数は 4 ~ 18 であった。予測区間の幅は広かった。順位付け確率に基づくと、帝王切開後の手術部位感染症の予防に有効性を示す確率がもっとも高かったのは、2%クロルヘキシジンアルコール溶液で、ポビドンヨードアルコール溶液と続いた。今回のメタアナリシスにおいて、文献が少ないことと、ポビドンヨードとクロルヘキシジン間の差が比較的小さいことを踏まえると、計画的または緊急の帝王切開における消毒薬として、アルコール溶液がいずれも使用できることが示唆される。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

帝王切開における皮膚消毒薬については、2016 年に New England Journal of Medicine で発表された RCT でクロルヘキシジンアルコールがポビドンヨードアルコールと比べて有意に手術部位感染を減少させたことが報告されている。本研究はこの RCT も含めたネットワークメタアナリシスであるが、両者に有意な結果の差は見出されず、どちらも使用できる、という結論になっている。2020 年のコクランレビューでも同様の結論であり、これからもなかなか明確な結論は出ないのかもしれない。

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