術後の院内感染眼内炎に対する周術期抗菌薬予防投与は推奨されるか? 単一施設の経験

2011.06.30

Postoperative nosocomial endophthalmitis: is perioperative antibiotic prophylaxis advisable? A single centre’s experience


T. Ness*, W.V. Kern, U. Frank, T. Reinhard
*University Eye Hospital of Freiburg, Germany
Journal of Hospital Infection (2011) 78, 138-142
本稿では、術前に局所ポビドンヨードとゲンタマイシン含有洗浄液の予防投与を受けたが、セフロキシムの前房内投与または周術期抗菌薬局所投与は実施していない、白内障手術後の患者の眼内炎発生率について報告する。大規模な大学教育病院 1 施設で 12 年間に白内障手術を受けた患者を対象として、後向き臨床試験を実施した。白内障手術 26,566 件のデータを解析した。術後眼内炎症例の特定・診断は、臨床所見および微生物学的検査を組み合わせて行った。白内障手術合計 26,566 件を調査し、術後眼内炎症例 16 例(発生率は手術 1,000 件あたり 0.6 件、すなわち 0.06%、95%信頼区間 0.03% ~ 0.09%)を特定した。原因微生物は症例の 81.3%(16 例中 13 例)から検出された。その大半はグラム陽性菌(13 例中 10 例)であり、このうちセフロキシム感性 10 例中 9 例、フルオロキノロン系感性 8 例中 4 例、アミノグリコシド系耐性 10 例中 10 例であった。グラム陰性菌(3 例)はセフロキシム、アミノグリコシド系、およびフルオロキノロン系に感性であった。局所ポビドンヨードとゲンタマイシン含有洗浄液を用いた今回のレジメンの術後眼内炎発生率は低く、最近報告された他の大規模試験の感染率と同等であった。白内障手術後の感染性合併症を最小限に抑えるために、セフロキシムの前房内投与および周術期レボフロキサシン点眼は不要と考えられる。したがって、欧州白内障・屈折手術学会(European Society of Cataract and Refractive Surgery;ESCRS)ガイドライン(周術期抗菌薬投与を必須としている)を再考し、白内障手術後の感染症を予防するための効果的な代替レジメンを認めることを提案する。
サマリー原文(英語)はこちら

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