新生児におけるカテーテル関連血流感染症の治療および予防を目的とした 2%タウロリジンロック溶液の使用:実施可能性研究★
Use of 2% taurolidine lock solution for treatment and prevention of catheter-related bloodstream infections in neonates: a feasibility study I. Savarese*, S. Yazami, D.U. De Rose, K. Carkeek, F. Campi, C. Auriti, O. Danhaive, F. Piersigilli *“Bambino Gesù” Children’s Hospital IRCCS, Italy Journal of Hospital Infection (2024) 143, 76-81
背景
タウロリジンロックは、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の予防や治療に用いられる手法で、成人および小児患者において効果的であるが、新生児に関する報告は稀である。本記述的後ろ向き研究の目的は、正期産および早産の新生児における予防的および治療的タウロリジンロックの実施可能性ならびに直接転帰を明らかにすることであった。
方法
血管アクセスが困難な重症の新生児におけるカテーテルサルベージを目的として、抗菌薬投与と併用した治療的タウロリジンロック使用を導入した(グループ 1)。さらに、中心静脈カテーテル(CVC)を留置され、CRBSI 発症のリスクが高い新生児においてタウロリジンロックを予防法として導入した(グループ 2)。感染クリアランスまで 24 時間ごとに(治療グループ)2%タウロリジンロック溶液を注射し、カテーテルを 120 分以上ロックした(グループ 1)。予防グループでは、CVC 抜去まで、カテーテルを48 時間ごとに 30 分間ロックした(グループ 2)。
結果
タウロリジン投与を受けた新生児 37 例を本研究に組み入れた。重大な有害事象は認められなかった。グループ 1(21 例)では、18 例(85.7%)でカテーテル抜去を行わずに臨床症状の消失および菌血症クリアランスが達成され、他の 3 例では CVC への切り替えが可能であったため、ロック溶液投与開始の直後にカテーテルが抜去された。グループ 2(16 例)では、カテーテル留置期間中に CRBSI は観察されなかった。
結論
本後向き研究において、新生児を対象に、CRBSI の予防および治療の両方においてタウロリジンを使用して、重大な副作用なしに効果が得られた。新生児におけるタウロリジンの有効性および安全性を確立するには、より大規模なコホートと無作為化臨床試験が必要である。
監訳者コメント:
タウロリジンはアミノ酸のタウリンに由来する物質で、細菌や真菌に対して、広範囲の活性を持つ抗菌剤で、細菌のさまざまな成分と作用し、不可逆的な破壊をもたらす。一方で、タウロリジンは一般に安全で忍容性が高く、成人でも小児でも副作用はほとんど報告されていない。カテーテル関連血流感染症(CRBSI)では管腔内細菌バイオフィルムの存在により、抗菌薬に抵抗性を示すことが問題となっており、海外では、タウロリジンが成人および小児患者に「ロック療法」として導入され、CRBSI 予防や治療補助に有効性が示されている。本研究では新生児に対する有効性と安全性を示唆しており、今後、大規模な臨床試験を経て、タウロリジンによる「ロック療法」の新生児への適応拡大が期待される。
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