タイゴンチューブ内に形成された肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)バイオフィルムに対する洗浄消毒剤 2 製剤および洗浄剤 1 製剤の評価

2023.10.31

Evaluation of two detergent-disinfectants and a detergent on a Klebsiella pneumoniae biofilm formed within Tygon tubes

C. Noubam-Tchatat*, L. Badrikian, O. Traore, C. Aumeran
*CHU Clermont-Ferrand, France

Journal of Hospital Infection (2023) 140, 1-7


背景

汚染された内視鏡を介した感染の伝播はよくある問題である。少なくとも洗浄剤を用いた用手洗浄は、内視鏡処理において重要な段階であり、高度消毒を妨げてバイオフィルム形成を促進する可能性のある有機残留物の乾燥を避けるために、可能な限り速やかに実施すべきである。

目的

用手洗浄時に用いられる洗浄消毒剤 2 製剤(酵素系および非酵素系)と酵素系洗浄剤 1 製剤の、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)バイオフィルムに対する有効性を評価した。

方法

タイゴンチューブに静的に形成させた 24 時間バイオフィルムを、洗浄消毒剤に 20°C および 35°C で 10 分間、または酵素系洗浄剤に 45°C で 60 分間曝露した。タイゴンチューブ内の細菌の対数減少値と製剤上清中の細菌数を算出した。

結果

バイオフィルム形成はアッセイ間で再現性があった。洗浄消毒剤への曝露後、タイゴンチューブ内の対数減少値は 6.32 ~ 6.71 log10 cfu/cm2 であった。上清に細菌は認められなかった。洗浄消毒剤群の結果は、曝露温度または酵素添加による影響を受けなかった。酵素系洗浄剤への曝露後に、タイゴンチューブ内の細菌負荷の減少は認められなかった。上清に細菌が認められた。

結論

以上の結果からは、用手洗浄段階で使用する製剤を選択することの重要性が示されている。また、内視鏡処理の用手洗浄段階で細菌負荷を減少させるためには、洗浄作用と消毒作用を組み合わせることが有益となる可能性があることも示されている。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

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