開頭術後の骨弁感染:63 症例のレビューと定義、分類およびサーベイランス方法への影響
Bone flap infections after craniotomy: a review of 63 cases and the implications for definitions, classification and surveillance methodologies S. O’Donnell*, M. Creedon, J. Walsh, B. Dinesh, D.P. O’Brien, S. MacNally, H. Humphreys *Royal College of Surgeons in Ireland University of Medicine and Health Sciences, Ireland Journal of Hospital Infection (2023) 136, 14-19
背景
骨弁感染は、開頭術などの脳神経外科手術後に発生する。しかし、それらは十分に定義されておらず、脳神経外科におけるその他の手術部位感染と明確に区別されていない場合が多い。
目的
国立成人脳神経外科センターのデータを再調査し、いくつかの臨床的側面を検討して、定義や分類およびサーベイランス方法により有用な情報を提供した。
方法
骨弁感染が疑われる患者から培養のために送付された臨床検体に関するデータを、後向きに再調査した。さらに、国および自施設のデータベースから前向きに記録された情報を入手し、外科手術記録または退院要約に用いられた用語に基づき骨弁感染または関連する病態の所見を調べ、開頭術部位に関連した単独菌感染および複数菌感染を記録した。
結果
2016 年 1 月から 2020 年 12 月までの間に、平均年齢 45 歳(16 ~ 80 歳)の患者 63例が確認された。「頭蓋骨の感染に対する開頭術」が、国のデータベースにおけるコード化で骨弁感染の記述に用いられた用語として最も多かったが(63 例中 40 例[63%])、その他の用語も用いられた。「悪性新生物」が、開頭術を必要とする基礎疾患として最も多かった(63 例中 28 例[44%])。微生物学的検査のための検体として、63 例中 48 例(76%)から骨弁、63 例中 38 例(60%)から体液/膿、63 例中 29 例(46%)から組織が提出された。患者 58 例(92%)において 1 検体以上が培養陽性であり、32 例(55%)が単独菌感染、26 例(45%)が複数菌感染であった。グラム陽性菌が優勢で、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が最も多かった。
結論
分類を改善し、適切なサーベイランスを実施するためには、骨弁感染の定義方法をより明確にする必要がある。そうすることで、予防的戦略やより効果的な患者管理のための情報がもたらされるであろう。
監訳者コメント:
開頭術などの脳神経外科手術後の感染のリスクを評価したものである。開頭術部位に関連した単独菌感染および複数菌感染を記録している。
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