中国における医療関連感染症の疾患負担のシステマティックレビューおよびメタアナリシス:総合病院の経済的負担の展望
A systematic review and meta-analysis of disease burden of healthcare-associated infections in China: an economic burden perspective from general hospitals X. Liu*, A. Spencer, Y. Long, C. Greenhalgh, S. Steeg, A. Verma *the University of Manchester, UK Journal of Hospital Infection (2022) 123, 1-11
医療関連感染症(HAI)は、世界的な公衆衛生上の問題である。しかしながら、中国では HAI に起因する国内レベルでの経済的負担について知られていない。今回のシステマティックレビューの目的は、中国における HAI による直接的な経済的負担を推定することである。2009 年から 2019 年に発表された研究を対象に、Medline、EMBASE、Chinese Journals Online のデータベースを検索した。統合推定値とその 95%信頼区間を分位点の推定により算出した。DerSimonian‐Laird 法のランダム効果モデルを用いた。P < 0.05を統計的に有意とした。計 2,756 報の研究を特定し、メタアナリシスでは、直接的な経済的負担の統合推定値の算出に 6 報、追加の経済的負担の統合推定値の算出に 5 報を対象とした。HAI 患者の 1 入院あたりの総医療費、薬剤費、入院日数の統合推定値の中央値は、それぞれ 34,415.62 日本円、20,065.21 日本円、34.01 日であった(P < 0.0001)。HAI 患者と非 HAI 患者間で、1 入院あたりの総医療費、薬剤費、入院日数の差の統合推定値の中央値は、それぞれ 24,881.37 日本円、9,438.46 日本円、13.89 日であった(P < 0.01)。結論として、HAI 患者の治療費は非 HAI 患者よりも有意に高額であった。この過剰な経済的負担は、患者とその家族のほかに医療サービス提供者、医療制度など全体的に影響を及ぼす可能性がある。HAI を制御するために、有効なサーベイランスシステムと費用対効果の高い介入が必要である。
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