多剤耐性菌に対する定着抵抗性:記述的レビュー

2021.12.31

Colonization resistance against multi-drug-resistant bacteria: a narrative review

R. Le Guern*, S. Stabler, P. Gosset, M. Pichavant, T. Grandjean, E. Faure, Y. Karaca, K. Faure, E. Kipnis, R. Dessein
*Centre for Infection and Immunity of Lille, France

Journal of Hospital Infection (2021) 118, 48-58


腸内細菌叢による定着抵抗性は、感染予防制御のための基本的な現象である。医療従事者の手指衛生遵守が十分でない場合、入院患者は多剤耐性菌に曝露される可能性がある。正常な腸内細菌叢により防御層がさらに形成され、この防御層は外因性細菌の排除を促し、手指衛生法が遵守されない場合の安全策として作用する。今回の記述的レビューは、多剤耐性菌に対する定着抵抗性における腸内細菌叢の役割と、感染制御に及ぼすその影響に焦点を置く。本総説では、定着抵抗性の根本的機序(直接的または間接的)、腸内細菌叢の回復の概念、抗菌スペクトルと腸内細菌叢のバランス異常との関連、治療方針の可能性について検討する。定着抵抗性の作用を最大にするために、抗菌薬適正使用支援は極めて重要である。不要な抗菌療法を避けること、抗菌薬使用期間をできる限り短縮すること、抗嫌気性菌活性が低い抗菌薬を支持することにより、多剤耐性菌の獲得および拡大が低減する可能性がある。抗菌療法後でも腸内細菌叢の回復が自然に起こることが多い。自然回復は、抗菌療法中または抗菌療法直後に多剤耐性菌定着のタイミングがあることを示している。高繊維食や適切なプロバイオティクスなど腸内細菌叢の回復に有益な方法を評価する必要がある。

 

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

マクロとミクロの視点から耐性菌定着を防ぐ糸口を本論文では解説している。抗菌薬療法では常在細菌叢の撹乱が少なからずともあるため、適切なスペクトラムの抗菌薬の選択や処方期間の適正化などが必要なのは言うまでもない。

 

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