新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中のプレチスモグラフィーボックスにおけるサイズ分画されたエアロゾル濃度の現実に即した測定と関連するウイルス量の推定

2021.12.31

Real-life measurement of size-fractionated aerosol concentration in a plethysmography box during the COVID-19 pandemic and estimation of the associated viral load

G. Tomisa*, A. Horváth, Á. Farkas, A. Nagy, E. Kis, L. Tamási
*Chiesi Hungary Ltd, Hungary

Journal of Hospital Infection (2021) 118, 7-14


緒言

肺機能検査に対しては、エアロゾル発生とウイルスの伝播促進に関連する懸念がある。結果として、新型コロナウイルス感染症パンデミック中の肺機能検査数は著しく減少した。しかし、このような不安を裏付ける確固としたデータはない。

 

目的

肺機能検査室 1 室においてエアロゾル濃度の現実に即した測定を行い、患者付近の粒子濃度をモニタリングすること。ならびに、関連する潜在的なウイルス量をモデル化すること。

 

方法

2 つの光学式粒子計数器を用いて、全身プレチスモグラフィーボックス内のバックグラウンド濃度と患者の口付近の粒子濃度をサンプリングした。測定した時系列の粒子濃度の統計学的評価を完了した。粒子の呼気中への排出率は、近接場/遠距離場理論を適用して測定した粒子濃度データに基づいて評価した。検査中の感染患者によって吐き出されたウイルス数を、安静呼吸中および発話中のウイルスの排出と比較した。

 

結果

患者 25 例を本研究の対象とした。患者 18 例はエアロゾル濃度の有意な上昇を示した(平均 1,910[標準偏差 593]粒子/L)。サブミクロン粒子は発生した粒子の個数サイズ分布の大半を占めたが、バックグラウンドと比較すると、大粒子は、発生した粒子のより多くの分画を占めた。このデータから、遺伝子の呼気中への平均排出率 0.2/分を推定した。これは同一の感染患者の安静呼吸中の放出率よりも 1 桁高く、通常の発話中の放出率と同じ桁であった。

 

結論

本研究によって、肺機能検査はエアロゾルを発生させる医療行為であることが明らかになった。これらの結果に基づくと、ウイルス量のわずかな増加はこのような検査を中止する裏付けとなるものではない。

 

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

本論文は、プレチスモグラフィーに伴うエアロゾルの量とサイズを検討したものである。検査中は安静時よりエアロゾルは増加するが、会話時と同等であるとしており、換気とマスクを含む感染対策が検査による感染リスク低減に必要であるとしていた。

 

 

 

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