手術効率:クロルヘキシジングルコン酸塩アプリケータの使用を最適化する方法の比較
Operative efficiency: comparison of methods to optimize the use of chlorhexidine gluconate applicators I.J. Wellington*, J.W. Stelzer, J. Silver, O. Solovyova *University of Connecticut Health Center, USA Journal of Hospital Infection (2021) 118, 59-62
背景
手術室での時間はコストが高いため、時間の浪費の潜在的要因をできる限り減らすことは、外科医および病院にとって財政的に有益である。クロルヘキシジングルコン酸塩手術用溶液アプリケータを使用できる状態にするのに要する時間は、最適化できる機会がある。この工程を早めるために多くの手法が用いられているが、これらの手法を比較した研究はない。
目的
クロルヘキシジングルコン酸塩手術用準備溶液アプリケータを利用する最も効率的な方法を明らかにすること。
方法
ChloraprepTM アプリケータのスポンジを最も迅速に溶液が染み込んだ状態にするのはどの手法かを決定するため、6 つの手法を試験した。6 つの手法とは、1 回押し込む(対照)、上下に振る、左右に振る、スポンジを表面上で押す(軽く押す)、綿スワブで押す(突く)、アプリケータのレバーを継続的に押し込む、であった。各手法に対してアプリケータ内のガラスが割れてからスポンジに溶液が染み込むまでの時間を測定した。次に、時間を比較してどの手法が本工程を最も早めるかを決定した。
結果
左右に振る、上下に振る、「軽く押す」手法はそれぞれ対照群よりも有意に迅速であった。左右に振る手法は、スポンジに溶液が染みこむまでの時間が平均して最も短かった。左右に振る手法と「突く」手法でスポンジに溶液が染みこむまでの時間は、平均 27.5 秒もの差がある可能性がある。
結論
上下に振る手法および「軽く押す」手法と同様に、左右に振る手法の活用によって、クロルヘキシジングルコン酸塩アプリケータを使用するのにかかる時間は有意に短縮される。これらの手法を用いることによる時間の節約は、かなりの財政的恩恵をもたらす可能性がある。
監訳者コメント:
手術室の時間は貴重だから、消毒をより短時間で効率良くするための方法を検討した研究。夏休みの宿題的な内容ではあるが、こういうものでも研究対象として突き詰めることはできるんだなと感じる。「時間」に着目すると、様々な感染対策の手技や手順もまだまだ効率化できる余地はありそうだ。
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