手術室におけるレースアップサージカルマスクの問題点とそれに関連する解決策★

2021.09.30

The defects of lace-up surgical masks and related solutions in operating rooms

X. Wang*, F. Lin, Z. Wang, J. Hu, X. Li, B. Zhu, J. Zhang
*Medical College of Qinghai University, China

Journal of Hospital Infection (2021) 115, 64-70


背景

従来の着用法では顔への密着性の高いレースアップサージカルマスクを作製することは難しい。その理由として、ひもの張力が低いため、隙間から空気の出入があることが挙げられる。著者らは、2つの実行可能な新しい着用法を導入し、満足できる実験結果を得た。

 

方法

スタッフによるサージカルマスクの着用について、手術室における観察および面接により調査した。着用に要する時間、密着率、および満足度について、従来法および2つの新規推奨法を被験者の経験に従って評価・比較した。3 つの着用法が無菌区域における微生物汚染に及ぼす影響の差について、模擬手術で検討した。

 

結果

被験者の経験によれば、従来法群、スリーノット法群、およびゴムバンド法群において、密着率はそれぞれ 47.0%、92.0%および 100.0%(P < 0.001)、0 ~ 10 の数値評価尺度による満足度スコアはそれぞれ 5.06 ± 2.22、6.89 ± 1.86 および 7.10 ± 1.72(P < 0.001)、着用に要する時間はそれぞれ 14.32 ± 2.20 秒、25.76 ± 5.13 秒および 27.37 ± 5.11 秒(P < 0.001)であった。模擬手術では、従来法群とスリーノット法群との間(37.5[13]対 18[8]cfu、P < 0.001)、ならびに従来法群とゴムバンド法群との間(37.5[13]対 17[10]cfu、P < 0.001)に有意差が認められた。

 

結論

新規の推奨着用法は、密着性が高く、満足度が高いという利点があり、快適性が高く、結果として無菌区域における汚染率が低かった。ただし、2 つの推奨法では従来法より着用に時間がかかった。

 

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

ちょうど監訳者が紐タイプのサージカルマスクの装着方法について検討を行っているタイミングだったこともあり、大変興味深く読んだ。結び方によってより適切にフィットさせる工夫を紹介しており、実臨床上の問題に対する科学的な取り組みとその論文化の姿勢に感銘を受けた。是非皆さまの施設でも紐タイプのサージカルマスクの装着について見直し、良い取り組みがあれば論文化を目指して欲しい。

 

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