関節全置換術のライブ手術中の層流は乱流換気の手術室と比較して微生物空気汚染を減少させる:全国調査
Laminar airflow decreases microbial air contamination compared with turbulent ventilated operating theatres during live total joint arthroplasty: a nationwide survey R.J. Knudsen*, S.M.N. Knudsen, T. Nymark, T. Anstensrud, E.T. Jensen, M.J. La Mia Malekzadeh, S. Overgaard *Odense University Hospital, Denmark Journal of Hospital Infection (2021) 113, 65-70
背景
手術部位感染症および人工関節感染症の予防は、関節全置換術後の患者安全に不可欠である。微生物空気汚染はリスク因子の1 つとして示唆されてきた。そのため、手術室で空気汚染を最も効果的に減少させる可能性のある換気システムについて議論がなされている。
目的
人工股関節・膝関節全置換術のライブ手術中にコロニー形成単位(cfu)を調べることによって、層流(LAF)換気は乱流(TAF)換気よりも優れているかどうかを明らかにすること。さらに、手術室の人員数、ドアとキャビネットロックを開ける回数、換気システムの技術パラメータは cfu 数に影響を及ぼすかどうかを調査すること。
方法
LAF または TAF 換気システムのいずれかが装備された 17 の手術室で、51 件のライブ手術中に観察事項を記録しながら能動的エアサンプリングおよび受動的落下細菌量測定を実施した。
結果
ライブ手術中、LAF の手術室では TAF の手術室と比較して cfu 数が減少した(P < 0.001)。すべての LAF の手術室では超清浄空気が供給されたのに対し、TAFの手術室では 10 cfu/m3 の閾値を上回った手術が 9 件あった。ドアとキャビネットロックを開ける回数および人員数は cfu 数に影響を及ぼさなかった一方で、容積および 1 時間あたりの総換気回数が増加するにつれて cfu 数は減少した(P < 0.05)。
結論
すべての LAF の手術室の cfu 数は推奨値の範囲内であり、TAF の手術室と比較して cfu 数は低かった。手術室の人員数およびドアとキャビネットロックを開ける回数の合計は cfu 数に影響を及ぼさなかった。手術室の容積および1 時間あたりの総換気回数の増加によって能動的 cfu 数の減少が示された。
監訳者コメント:
手術室における層流と換気回数増加の重要性を示した研究である。
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