クラスター分析によって集中治療室のカテーテル関連尿路感染症リスクを有する患者を特定できる:SPIN-UTI ネットワークによる知見
Cluster analysis identifies patients at risk of catheter-associated urinary tract infections in intensive care units: findings from the SPIN-UTI Network
- Barchitta*, A. Maugeri, G. Favara, P.M. Riela, C. La Mastra, M.C. La Rosa, R. Magnano San Lio, G. Gallo, I. Mura, A. Agodi, on behalf of the SPIN-UTI Network
*University of Catania, Italy
Journal of Hospital Infection (2021) 107, 57-63
背景
集中治療室(ICU)でのカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)に対する予防戦略は提案されているものの、発生率を抑制するためにはさらなる努力が必要である。
目的
ICU 入室時の患者背景によって患者を分類すること、ならびに CAUTI のリスクが高い患者クラスターを特定すること。
方法
イタリアの ICU における院内感染サーベイランス(Italian Nosocomial Infections Surveillance in Intensive Care Units)プロジェクトの患者 9,656 例を対象に 2 段階クラスター分析を実施した。
結果
3 つの患者クラスターが特定された。入室の種類、患者の由来および抗菌薬投与がクラスタリングモデルに最も大きく影響した。クラスター 1 を構成する患者は市中由来の内科 ICU 入室患者が多かった。クラスター 2 を構成する患者は他の病棟または病院由来である傾向が強く、また ICU 入室前または入室後 48 時間の抗菌薬投与を報告する傾向が強かった。クラスター 3 はクラスター 2 に類似していたが、ICU 入室前または入室後 48 時間の抗菌薬投与を受けた患者の割合は低いという特徴があった。クラスター 1 の患者の尿路カテーテル留置期間(中央値 7 日、四分位範囲[IQR]12 日)とクラスター 2 の患者の尿路カテーテル留置期間(中央値 7 日、IQR 11 日)は、クラスター 3 の患者(中央値 6 日、IQR 8 日、P < 0.001)より長かった。興味深いことに、クラスター 1 の患者の CAUTI の発生率(患者 100 例あたり 3.5例)は他の 2 つのクラスターの患者(両クラスターともに患者 100 例あたり 2.5 例、P = 0.033)と比較してより高かった。
結論
著者が知る限り、本研究は予防戦略から多くの恩恵を受ける可能性のある CAUTI の高リスク患者を特定するためにクラスター分析を利用した最初の研究である。
監訳者コメント:
クラスター分析によるCAUTIのリスク分析を行った論文である。年齢、性別、入院時重症度などによりグループ分けを行い、対象を分析する方法である。
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