患者ケアにおける手指衛生遵守に及ぼすホーソン効果
The Hawthorne effect on adherence to hand hygiene in patient care
E. Purssell*, N. Drey, J. Chudleigh, S. Creedon, D.J. Gould
*University of London, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 311-317
ホーソン効果(観察されていると意識することで引き起こされる行動変化)により医療従事者の手指衛生遵守が向上することが、多くの研究で示されているが、方法論的に堅固であるかどうか、影響の程度はどうか、どれくらい継続するか、臨床環境の全域で同じかどうかは明らかではない。本レビューの目的は、手指衛生におけるホーソン効果の評価のために使用される方法の厳密性、効果量推定、臨床環境間でのばらつき、および持続性を明らかにすることである。この目的のために、文献のメタアナリシスによるシステマティックレビューを実施した。9 報の研究が本レビューの基準を満たした。方法論的な質はさまざまであった。ホーソン効果は-6.9%~65.3%まで幅があった。集中治療室で実施された 1 報では 4.2%、移植部門では 16.4%であった。データが院内全体および総合病院グループより収集された場合、ホーソン効果はもっとも顕著であった。同じ病院で病棟間の差が明らかであった。ホーソン効果の期間が推定された 2 報の研究では、効果は一過性のようであった。方法論的な欠点にもかかわらず、レビューでは、一般病棟でホーソン効果の明らかなエビデンスが示された。ホーソン効果は、臨床の専門領域間で、また部門によって異なる可能性があるというエビデンスがある。今回のレビューにより、公然の調査で得られた遵守率について、誇張された可能性のある結果を報告するというジレンマを打開するために、ホーソン効果の評価に向けて標準化した方法の必要性が確認された。不定期の内密調査では、実際の手指衛生遵守率の推定がより良好となる可能性があるが、医療従事者におけるその受容性と実現可能性を検討する必要がある。
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監訳者コメント:
手指衛生遵守とホーソン(見張り)効果については、かねてより多くの論文が発表されているが、見張りのいない状況下でいかに落ち込みなく実施が可能かどうかが課題である。
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