個人防護具サージカルマスクの再利用を目的とした汚染除去による介入:システマティックレビュー

2020.10.30

Decontamination interventions for the reuse of surgical mask personal protective equipment: a systematic review
D.J. Zorko*, S. Gertsman, K. OHearn, N. Timmerman, N. Ambu-Ali, T. Dinh, M. Sampson, L. Sikora, J.D. McNally, K. Choong
*McMaster University, Canada
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 283-294


背景
新型コロナウイルスのアウトブレイク期間における個人防護具の需要が増加しており、供給を維持するための介入手段を確立する必要性が生じている。サージカルマスクの再利用を可能にする汚染除去による介入については、ほとんどわかっていない。
目的
再利用を目的としてサージカルマスクの汚染除去による介入を評価した原著論文からのデータを特定し統合すること。
方法
サージカルマスク汚染除去による介入に関する前向き研究の原著論文(開始から 2020 年 4 月 8 日まで)について、MEDLINE、Embase、CENTRAL、Global Health、WHO COVID-19データベース、Google Scholar、DisasterLit、プレプリントサーバ、著明な学術誌を用いて検索した。引用スクリーニングは独立して2 回実施した。2 名の独立した評価者が、対象研究から研究の特性、介入、アウトカムを抽出した。注目するアウトカムとして、汚染除去による介入がサージカルマスクの性能および殺菌効果に及ぼす影響を含めた。
結果
7 件の研究が選択基準を満たした。1 件はマスク使用後に適用した加熱処理および化学的処理による介入がマスク性能に及ぼす影響を評価、6 件はマスク使用前に適用した抗菌効果とマスク性能の両方、またはどちらかを強化する介入を評価するものであった。マスク性能および殺菌効果がさまざまな試験条件で評価された。安全性アウトカムはほとんど評価されなかった。乾熱汚染除去によりマスク性能はきわめて良好に保持された。塩、N – ハラミン、ナノ粒子をコーティングしたマスクの殺菌効果は良好であった。
結論
サージカルマスク汚染除去の安全性または有効性に関するエビデンスは限られている。現時点までの試験に使用された方法がさまざまであることから、サージカルマスクの汚染除去のためにもっとも有効かつ安全な介入に関して結論を導くことはできない。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
もともと再利用(再生処理による再使用)を前提として製造していない製品であり、その消毒効果を検定するには試験方法の開発も必要になる。膜表面のウイルス活性だけでなく内面に固着したウイルスの不活化についても検証が必要である。

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