新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の不足に対応した呼吸用個人防護具の迅速な汚染除去のための乾熱およびマイクロ波発生蒸気のプロトコール

2020.09.30

Dry heat and microwave-generated steam protocols for the rapid decontamination of respiratory personal protective equipment in response to COVID-19-related shortages
M.J. Pascoe*, A. Robertson, A. Crayford, E. Durand, J. Steer, A. Castelli, R. Wesgate, S.L. Evans, A. Porch, J-Y. Maillard
*Cardiff University, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 10-19


背景
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミックと前例のない世界的な需要をきっかけに、臨床医は個人防護具を十分に入手する機会を必死で調達しようと努力している。マスクは SARS-CoV-2 への曝露から医療従事者を保護するために必要であるにもかかわらず、不足することがある。マスクの迅速な汚染除去と再利用は緊迫した調達状況の不安を取り除く可能性がある。
方法
本研究では 70°C の乾熱およびマイクロ波発生蒸気が FFP2/N95 型マスクと II 型サージカルフェイスマスクの再処理に適しているかを検討した。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)はエンベロープウイルスよりも化学的・物理的な処理に対して感受性が低いため、代替として用いた。
結果
70°C 乾熱 90 分の処理を行った黄色ブドウ球菌の生存は>4 log10 の減少が認められ、マイクロ波発生蒸気 90 秒では>6 log10 の減少が認められた。3 サイクルの再処理後、どの処理でも検査されたマスクの細菌または塩化ナトリウムのろ過効率に対する悪影響は認められなかった。しかし、再処理後に細菌ろ過能力が完全に失われたことが確認されたように、マイクロ波発生蒸気は検査された II 型サージカルマスクに不適合であった。一部の種類の金属製鼻クリップの周りに観察されたアークの発生のため、またクリップのマスクへの接着力の低下により、マイクロ波発生蒸気は一部の種類のマスクに不適合であることが認められた。
結論
それぞれの手法の利点と欠点を考慮して、医療分野での使用のための個人防護具およびフェイスマスクの再処理に関するワークフローを提案する。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
日本でも、2 月頃から PPE の不足が全国で問題となり、ビニールで作ったガウンや、N95マスクの再利用が行われる事態が生じた。厚生労働省が具体的な対応について通知を出しているので、この機会に再度確認しておきたい。
厚生労働省 2020 年 4 月 14 日通知「サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールド、の例外的取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/000622132.pdf
厚生労働省 2020 年 4 月 10 日通知「N95 マスクの例外的取扱いについて」

https://www.mhlw.go.jp/content/000621007.pdf

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