迅速フィードバックによる臨床現場(in-situ)シミュレーションを用いた COVID-19 に対する部門の準備強化★★

2020.08.31

Enhancing departmental preparedness for COVID-19 using rapid-cycle in-situ simulation
A. Dharamsi*, K. Hayman, S. Yi , R. Chow, C. Yee, E. Gaylord, D. Tawadrous, L.B. Chartier, M. Landes
*University Health Network, Canada
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 604-607


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、システムに基づく安全性に関する潜在的脅威の特定および解決を容易にするために、迅速フィードバックによる臨床現場シミュレーションプログラムを開発した。シミュレーションには COVID-19 の可能性のある呼吸不全例を含め、燐光を発するエアロゾルが飛散するよう改良したマネキンを用いた。36 名が臨床現場シミュレーションの 5 つのセッションに 6 週間にわたり参加し、さらに 20 名がこれらのセッションを観察した。参加報告により、4 領域(職員、個人防護具、供給/環境、情報伝達)の潜在的な安全性脅威が特定された。これらの脅威は、その後の反復処理において対処され、解決された。臨床現場シミュレーション後、参加者の 94%が、COVID-19 の可能性例をケアする準備がより整ったと感じていた。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
臨床現場における実地訓練をおこない、迅速に修正を加えながら現場で働く医療従事者を教育することは、新型コロナウイルス感染症のように、医療従事者の安全を確保するために、一刻も早く適切な対応が求められる場合には極めて有効である。いわゆる PDCA サイクルは半年から 1 年のサイクルで実施されるが、これでは間に合わない。現場の医療従事者とともに実地訓練をしながら、現場で修正を加えることにより、早期に安全な感染予防策が実施可能となる。

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