中国の武漢において COVID-19 に感染し、入院した最前線の医療従事者 80 名の臨床的特徴★

2020.07.31

Clinical characteristics of 80 hospitalized frontline medical workers infected with COVID-19 in Wuhan, China
X. Wang*, W. Liu, J. Zhao, Y. Lu, X. Wang, C. Yu, S. Hu, N. Shen, W. Liu, Z. Sun, W. Li
*Huazhong University of Science and Technology, China
Journal of Hospital Infection (2020)105, 399-403


中国において 1,000 名を超える医療従事者が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染している。2020 年 1 月 10 日から 2 月 24 日までに、医療従事者計 80 名が武漢の同済医院に入院し、57 名は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)確定例、23 例は臨床的診断例であった。年齢中央値は 39 歳(四分位範囲 32 ~ 48.5 歳)、49 例(61.25%)が女性で、1 例が死亡した。発症時にもっとも頻発した症状は、発熱(65 例、81.25%)、咳嗽(47 例、58.75%)、倦怠感(28 例、35%)、筋肉痛(19 例、23.75%)、喀痰(19 例、23.75%)、下痢(15 例18.75%)であった。単一の当施設に患者として入院した最前線の医療従事者は、武漢市や各地の他の患者と比較して、いくつかの特有な臨床・検査所見を示した。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
これまでに COVID-19 の重症化に関連する検査所見としては、CRP、LDH、D ダイマー、フェリチン、トロポニン、クレアチニン、リンパ球数、KL-6 などがある。入院した医療従事者80 名 のうち、職種では看護師 41 名、医師 23 名、その他が 16 名であった。基礎疾患は10名(12.5%)が高血圧であり、糖尿病や心疾患、COPD などは 2%前後であった。重症者は 2 名のみで、人工呼吸器が使用され、うち 1 名が死亡している。すべての患者において D ダイマーの上昇はなかった。男女差が認められた検査は、血小板数、APTT、クレアチニンであった。80 名という限られた数であり、医療従事者と一般患者との差については言及することは難しい。

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